氣志團、メジャーデビュー15周年 昭和の不良が復活
学ランにリーゼント姿がトレードマークのロックバンド、氣志團がメジャーデビュー15周年を迎える。近年は、地元・千葉にアイドルから人気バンド、歌謡界の大物までを集めて「氣志團万博」を主催。2014年にドラマ主題歌『喧嘩上等』がスマッシュヒットし、昨年はHKT48とコラボした『しぇからしか!』がチャート1位となるなど、幅広い活動で存在感を示している。
勢いに乗り、3年9カ月ぶりとなるオリジナルアルバム『不良品』を発売した。デビュー直後は強烈なビジュアルで瞬く間に人気を獲得。東京ドーム単独公演や『NHK紅白歌合戦』出演も果たした。しかし、06年から活動を休止するなど低迷期も経験した。
「追い風に乗って突っ走っていたはずが、無風にどう立ち向かえばいいか分からず解散も考えました」(綾小路翔、以下同)。再浮上のきっかけは11年の対バンツアー「極東ロックンロール・ハイスクール」であり、それが『喧嘩上等』にもつながったという。
「ライブバンドとしての輝きを取り戻すため、ロックバンドからアイドルまでライブに定評のある方々、約50組と対バンしました。そこでロックとはという既成概念をぶち壊してもらったし、出会いが『氣志團万博』など後の活動へ発展した。月9の主題歌『喧嘩上等』は、主演の尾野真千子さんに合わせて女言葉で歌詞を書くなど初めてドラマにがっつり寄せて曲を作りました。この曲がプチヒットし、我々に求められているのは昭和の不良っぽさということも再認識できました」
ニューアルバムはメンバーの自己紹介をミュージカル風に仕立てた『ツッパリHigh School Musical』からヒップホップ調まで多彩で、自由度が増した印象。それは13年に綾小路が初出演した舞台『高校中パニック!小激突!!』で作・演出を手がけた宮藤官九郎の影響のようだ。
「宮藤さんや(HKT48で組んだ)秋元康さんのような天才は、面白いという直感を大切にします。常に次の一手を熟考してきた僕には目からうろこでした。力みが取れたし、舞台をやったことで『僕らがやりたいのはミュージカルのようなライブだ』と気づけた。今作を2月からのツアー『氣志團學園2』のサントラだと捉え、自己紹介ソングをはじめ、すぐに盛り上がれる曲やインスト曲……と場面ごとに合う楽曲を作った結果、振り幅も広がりました」
今年はデビュー15周年、来年は結成20周年の節目が続く氣志團。「アニバーサリーを契機に代表曲となるヒットを飛ばしたい」と意気込む。
(「日経エンタテインメント!」2月号の記事を再構成。敬称略、文・橘川有子)
[日経MJ2016年2月19日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。