助言アプリで悩み解決 服装・グルメ、「プロ」と対話
「デートで着る服で悩んでいます。何かいいのありますか」
「こんなスカートはどうでしょう」
都内の会社に勤める堀夢菜さん(25)のファッションの指南役はスタイリストだ。月に1度の給料日後に「PRIMODE(プリモード)」と呼ばれるアプリを使い、スタイリストとチャットで会話しながら、勧められた洋服を買うのを楽しみにしている。
予算の範囲で提案
このアプリを主に使う時間帯は仕事帰りの電車の中。「予算は1万円程度」など条件を提示すれば、写真付きでお勧めの商品をすぐに知らせてくれる。ワールドなど300以上のブランドを扱う通販サイトと連携しているため、勧められた洋服はその場ですぐに購入できる。
堀さんはもともと、ファッションには興味があったが、無地などシンプルな商品を好み、柄物や色物などを避ける傾向があったという。プリモードを使い始めて約4カ月。「普段と違う系統の洋服にチャレンジできるようになった」と満足げだ。
プリモードを運営する空色(兵庫県芦屋市)のスタイリストの一人、増田亜美さんは「チャットで顔写真を送ってもらえば、目や肌、髪の色を基に似合う服を提案できる」と話す。
スタイリストは約40人が在籍。テレビや雑誌で活躍したり、ショップ店員の経験などのキャリアを持つ。指名料金はスタイリストによって異なり、無料や数百円を選ぶケースが多い。
利用者の中心は25~34歳の社会人。1人1回当たり平均1万5000円程度購入するという。勧められても、気に入らなければ買わなくてもいい。
昨年の12月からは大手ファッションブランド「ナノ・ユニバース」も空色のシステムを使った同様のサービスを始めた。
一方、飲食店選びでは検索サイトが多過ぎるため、どのサイトを選べばいいのか迷う人もいる。そんなとき頼りになりそうなアプリが「ペコッター」だ。
例えば「渋谷で20人が参加する送別会をします。予算一人あたり4000円で静かなお店はありますか」「3人で恵比寿で飲めるうまい店教えてください」などと書き込む。すると、それを見た一般ユーザーがその条件に合ったお店を教えてくれる。
店名だけではなく、グルメサイトの写真やURLのリンクもつけてくれるので、すぐにお店の詳細を確認できる。ペコッターを運営するブライトテーブルの松下勇作社長は「おおむね5分以内に3~4件の返事が来る」と話す。
お礼は仮想通貨で
回答者には「ペコ」という仮想通貨でお礼する。感謝の気持ちを表す場合は「いいね」(1ペコ)、提案してくれた店が気に入った時は「行きたい」(10ペコ)ボタンをそれぞれ押す。回答者は30ペコで15円分の「アマゾンギフト券」に交換できる。
化粧の仕方に悩んだときにお勧めなのが、資生堂のアプリ「おしえて! ビュー子」。「アイラインの引き方を教えて」「つけまつげの上手なつけかたは」などと打ち込むと、人工知能(AI)を使ってそれぞれの悩みを解析。ビュー子というキャラクターが、すぐにイラストや動画などを使って、メーク方法を教えてくれる。
無料対話アプリ「LINE(ライン)」の登場以降、若者を中心にチャットはすっかり浸透した。専門的な内容であっても、様々な対話アプリを使って気軽に相談してみてはいかがだろうか。
(電子編集部 鈴木洋介)
[日本経済新聞夕刊2016年1月7日付]
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