カラオケ進化 スマホで合いの手、背景に自前映像も
カラオケルームで使うタンバリンなどの小道具をわざわざフロントまで取りに行くのは面倒――。こんな消費者の声に応えたのが業務用カラオケ機器「JOYSOUND」の製造・販売を手がけるエクシング(名古屋市)が配信するアプリ(応用ソフト)「キョクナビJOYSOUND」だ。
ドラムなど13種類
使い方はこうだ。まずスマートフォン(スマホ)に同アプリをダウンロードしておく。そしてエクシングが今夏発売した「JOYSOUND MAX」とアプリの入ったスマホをカラオケルームでWi-Fi接続する。ピアノやギター、ドラムなど全13種の楽器から好みのものをアプリ上で選択すれば、カラオケルームにあるスピーカーから音が出る仕組みだ。
楽器の種類が豊富なため、タンバリンやマラカスといった従来の小道具とは違った盛り上げ方ができる。
「カラオケ店の多くは1階にフロントがあり、カラオケルームは上層階にあることが多い。場を盛り上げるための小道具をフロントまで取りに行かなければならない不満を解消した」(エクシング)
また、忘年会や新年会など大人数でのカラオケルーム利用を想定し、スマホがリモコン代わりに使える「スマート予約」と呼ぶ機能を設けている。
カラオケルームに設置される選曲用のリモコンは通常1台だ。そのため、10人程度が入るような大部屋では、例えば部屋の奥にいる人が選曲をしているときに、部屋の入り口付近の人が選曲できないという問題があった。
「上司が歌った後に曲が入っていないのは盛り上がった場の空気がさめるのでよくない。かといって、リモコンが遠くにあっては予約できない。スマホがリモコンになれば、手軽に選曲でき利用者の負担を減らせる」(エクシング)
消費者の反応は狙い通りで、手軽に使えるリモコンとして好評という。
カラオケの背景映像に工夫ができる機能もある。カラオケ歌唱中に流れる映像は、費用の問題から複数の楽曲で同じものを使うことがよくある。特に、50~60代の利用者が好む1970~80年代の楽曲はいまだに古い映像を使っている場合が多い。
そこで「フォト送信」「ムービー送信」機能を使ってみよう。カラオケの背景映像を自前の写真や映像に変えられる(映像はiOSのみ対応)。事前に撮った一発芸の動画や日ごろの感謝を伝える動画を流す工夫で、場を盛り上げられるという。
業務用カラオケ機器「DAM」シリーズの製造・販売を手がける第一興商は4月、「ライブ会場の臨場感をカラオケルームに」をコンセプトにしたカラオケ機器「ライブ ダム スタジアム」を発売した。カラオケ楽曲の音質をライブ会場に近づける「ライブサウンド」機能を内蔵したのが特徴だ。
まるでライブ会場
利用の方法は簡単。カラオケルームにある機器に設置された「ライブサウンド」ボタンを押すと、カラオケ楽曲に含まれるライブ会場の歓声や楽器音などの音がより鮮明になる。
「まるでライブ会場で歌っているかのような気分を味わいに足を運ぶ人が増えている」(第一興商)という。
ほかにも自分のギターを持ち込んで、機器につないで弾けるサービスもある。事前に対応の有無を確認しよう。
最新IT(情報技術)を使ったカラオケ機器で、便利に、違う雰囲気を演出してみてはいかが。
(電子編集部 飯島圭太郎)
[日本経済新聞夕刊2015年12月10日付]
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