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介護記録を手帳で「見える化」 緊急時の引き継ぎにも

2021/9/1

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「在宅介護者手帖」や緊急シートなどの活用を呼びかける(東京都新宿区のアラジン)
「在宅介護者手帖」や緊急シートなどの活用を呼びかける(東京都新宿区のアラジン)

在宅で介護する人を助け、孤立を防ごうと、手帳を用いた取り組みが相次ぐ。民間支援団体は介護者が新型コロナウイルスに感染した場合に備え「引き継ぎシート」を作成。支援者が円滑に対応できるよう家族の情報をまとめる。介護者の不安な気持ちを吐露する日記代わりにもなる「在宅手帳」の啓発・普及も進む。

介護する自分がコロナ感染で倒れたら――。民間の支援団体、日本ケアラー連盟(東京・新宿)はコロナ対策の緊急引き継ぎシート「ケアラーのバトン」を作成した。当人の認知症や障害の程度、アレルギーの有無、コミュニケーションの取り方など約40項目を書き込む。無料でホームページからダウンロードできる。

利用者からは「今の状況を整理できた」(50代女性)との声が聞かれる。群馬県桐生市で80代の親を介護する須永圭一さん(56)は「介護者にとっては当たり前でも、第三者には分からないことがたくさんある」と話す。コロナ下で不安を抱えるなか「介護を見える化」し他者と共有することは精神的な悩みを和らげる手助けにもなるようだ。

須永さんは介護のため東京から実家に戻って5年目。同じく在宅介護をする人や介護の専門家と今夏オンラインサロンを開設した。公的支援のよろず相談所「地域包括支援センター」など地域のつながりも生かし、情報交換の場とする。

在宅介護者はつい何でも自分でやろうとしてしまいがち。そんな介護者のために、NPO法人の介護者サポートネットワークセンター・アラジン(東京・新宿)は「在宅介護者手帖」(素朴社、定価660円)の啓発・普及に力をいれる。

ケアラー連盟と2020年末に作成。A5判・48ページの手帳で、自治体や民間の支援サービス、忙しいときに役立つ宅配サービスなど、介護者が必要な情報を自由に書き込める便利帳だ。アラジンの牧野史子理事長は「介護は1人でできなくて当たり前。真面目すぎる人はそう思って」と話す。

誰にも相談できず疲れ果てた介護者が亡くなるケースも見てきた。自治体には担当窓口がある。サービスによっては高齢者福祉ではなく障害者福祉の場合もあるので分からないときは地域包括支援センターに聞くといい。同手帳は全体の3分の1が日記代わりに使えるのも特徴。「不満や不安を率直に書いて」と話す。

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