2021/5/31

クレームへの謝罪時も手ぶらで帰らず

起業後、まず手がけたのは、大学の研究室などからホームページ作成を請け負う事業だ。価格は当時でも割安な1ページあたり1万円。客は順調に増えた。するとある日「価格破壊をするな」と大手広告代理店からクレームの電話が。翌朝すぐに謝罪に出向いた。だが手ぶらでは帰らない。「相場は知っていたが請負事業がなければ会社は回らない。仕事をくれないか」。クレームをつけてきた相手に交渉。広告代理店も顧客にし、ネットビジネスを伸ばしていった。

本業のR&Dのアウトソーシング事業でも粘り強く顧客を増やし、会社を軌道に乗せた。今は夫も社員として会社を支える。

ポジティブ思考の持ち主でも、代表幹事のオファーにはプレッシャーを感じたという。「役目が果たせるのか」。先輩経営者らに相談すると「これを逃す経営者がいるか」とエールを送られ、受ける決意をした。

新型コロナウイルス禍の中、代表幹事に求められる役割は重い。だがこれまでの人生、壁を転機に変えてきた。「任せてもらったからには任期の2年間を楽しみたい」。そう前を向く。

(聞き手は丸山景子)

[日本経済新聞朝刊2021年5月31日付]