第一三共ヘルスケア「トランシーノ」 飲んでシミ改善

日経MJ

医薬品の技術を化粧品に応用したことを前面に打ちだす
医薬品の技術を化粧品に応用したことを前面に打ちだす

第一三共ヘルスケアの「トランシーノ」が健闘している。新型コロナウイルス禍で化粧品業界が打撃を受けるなか、2020年度の売り上げは前年並みを保った。しみを改善するための飲み薬とスキンケア製品を1つのブランドとして展開し、医薬品の持つ効果的な印象とスキンケア用品の裾野の広さの相互作用を生かす戦略が光る。




しみ治療の飲み薬からスキンケア商品へ

「トランシーノ」の最初の商品は、07年に発売したほおにできる「肝斑」というしみの一種を改善する飲み薬だ。ドラッグストアなどで買える一般用医薬品(OTC)として発売した。国内で初めてのしみ治療用飲み薬として8週間服用すると効果が出るとうたい、注目を集めた。

医療機関での肝斑治療には従来、アミノ酸の一種であるトラネキサム酸が処方されていた。第一三共ヘルスケアは、のどの痛みを抑える薬などに使用していた同じ成分をしみ治療向けのOTCに転用できないか研究を開始。それがブランド立ち上げのきっかけだ。

治療薬の発売後、「日常のスキンケアにしみ対策を取り入れたい」というユーザーの声を受け、10年には同じ成分を配合して美容液を発売した。これを皮切りに化粧水などのスキンケア商品を売り出し、服用して肝斑を中から治療する薬に加え、外からのケア商品を充実させた。だが、スキンケア商品を増やすにつれブランド全体の売り上げは伸びたが、原点である飲み薬は伸び悩んだ。

「しみは外側からのケアで治すものというイメージが消費者に根付いていたのが原因だ」。ブランドマネジャーの倉本菜々子氏はこう振り返る。そこで18年、新たな飲み薬の発売に向けブランドイメージの転換を図った。

それまでしみ対策に飲み薬を取り入れていたのは美意識が高い一部の人だけだった。年齢層も40~50代が中心で、20代後半から30代の若い層を取り込めていないことが課題と認識した。

そこで、すでに発売していた飲み薬のビタミンの配合量を増やし、1回あたりの用量を3錠から2錠に減らし飲む際の負荷を減らした。飲み薬の手軽さやビタミン補給の必要性などを打ち出し、忙しい人に訴求する「トランシーノ ホワイトCクリア」を発売した。

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ビタミン増量、飲みやすさ改善
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