がん・産婦人科・小児どう受診 医師に聞くコロナ対応

【小児】心身に影響、一律休校は避けて

長崎大教授(日本小児科学会理事)森内浩幸氏
長崎大教授(日本小児科学会理事)森内浩幸

――子どもが新型コロナウイルスにかかるとどうなるか。

「日本小児科学会ではワーキンググループを作り、情報収集や保護者向けQ&Aの作成などを続けている。国内外の情報の集積からも患者に占める小児の割合は少なく、症状も軽く、死亡例はほとんどないと言える」

――海外で川崎病の報告がある。日本はどうか。

「欧米で川崎病を疑わせる症例報告が相次いだが、国内で川崎病やそれに似た疾患は増えておらず、それらの患者からウイルスを検出したとの報告もない。他のアジア諸国も同様だが、引き続き注視している」

――休校・休園が相次いだ。

「国内外を通じ、学校や保育園でのクラスター(小規模な感染者集団)の発生はないか、あっても極めてまれだ。インフルエンザなどと異なり、休校などが有効な対策とは言えない」

「学びや遊び、給食の機会がなくなり、子どもの心身の発達への影響が大きい。児童虐待が増える懸念もあり、デメリットが上回る。休校等は地域の実情に応じて検討すべきで、一律に行うことは避けるべきだ」

――予防接種や受診を控える動きもある。

「ワクチン接種率が10%ほど下がったとの報告がある。ワクチンで予防できる疾患で重症化した事例も耳にしており、憂慮している。予防接種は不要不急ではないと強調したい。感染症以外の小児疾患の受診も減少している印象だ。受診控えが病気の発見遅れを招く懸念もある」

◇  ◇  ◇

PCR検体採取、歯科医師も

新型コロナウイルス対策には医師だけでなく歯科医師も協力する。感染の有無を調べるPCR検査などで、鼻の奥の粘液を取る「検体採取」を担う人材確保が狙いだ。従来の歯科医業の枠を超えるが、厚生労働省が特例的に認めた。

日本歯科医師会はビデオ教材による研修事業を始めている。感染予防法やPCR検査の基礎知識を学び、実技研修は採取業務を始める前に、検査センターなどの現場で行う。同会の柳川忠広副会長は「いつ第2、第3の流行があっても対応できるように着実に研修を進めたい」と話している。

[日本経済新聞朝刊2020年6月1日付]

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