子どもの風邪、受診の目安は? 薬の頼りすぎは禁物

日経Gooday

写真はイメージ=(c) wckiw-123RF
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日経Gooday(グッデイ)

風邪、インフルエンザ、新型肺炎…と、感染症が流行するこの季節、子どもが頻繁に熱を出したり、夜中にひどい咳(せき)で目を覚ましたりすると、親にとっては不安なもの。しかし、風邪の場合、必ずしもすぐに薬や医療機関への受診が必要というわけではない。どんなときに様子を見て、どんなときに受診したらいいのか、風邪のような症状のときの受診の目安や子どもの風邪の対処法について、国立成育医療研究センター生体防御系内科部感染症科診療部長の宮入烈さんに聞いた。

風邪の原因微生物の多くはウイルス

日ごろ、発熱やだるさなど何らかの体調不良を感じると真っ先に「風邪かな?」と考えるように、「風邪」は一般的な用語で、さまざまな意味で用いられることがある。

「医師が『風邪』と言った場合には、原則としてウイルスによる感染症を指しますが、初期には溶血性連鎖球菌(溶連菌)やマイコプラズマなどの細菌による感染症や胃腸炎とも区別がつきにくいので、こうしたものも含めて一般的に『風邪症候群』とも呼ばれています」と宮入さんは言う。

風邪症候群の原因微生物の約9割はウイルスであり、RSウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルスなど100~200種類あるといわれる。同じウイルスでもいくつもの型がある。これらのウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすため、鼻水・鼻づまり、喉の痛みといった気道症状のほか、発熱、頭痛、筋肉痛、食欲不振、下痢、嘔吐(おうと)など多様な症状を引き起こす。

「ウイルスの種類やかかる人の体質によって、風邪の症状は少しずつ違います。『今年の風邪は喉にくる』『胃腸にくる』などの違いは皆さん経験があるのではないでしょうか。風邪症候群の中でも、鼻、喉、咳の症状が同じくらいあるものを感冒といい、そのほか、鼻、喉、咳のうち強い症状によって、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭(いんとう)炎、急性気管支炎など、いくつかのパターンに分類できます(図1)」(宮入さん)

3歳以下の子どもの場合には、細い気管支に炎症が起こる細気管支炎の場合や、「クループ症候群(急性喉頭[こうとう]炎)」といって、ウイルスが空気の通り道である喉頭に感染することで犬が吠えるような咳が見られることもある。

感冒の場合、多くは喉の痛み、鼻づまり・鼻水で始まって、半日から1日程度の違いで咳やたんも出る。その順で治まってくるが咳は1~2週間続き、だんだん乾いた咳から湿った咳に変わっていくというのが一般的な経過のパターンだ(図2)。熱はウイルスにより違い、2~3日で治まるものもあれば、5日間くらい続くものもある。

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