NIKKEIプラス1

2020/3/28

暮らしの知恵

ハイ・テーラーは中国TOZI社開発の最新計測技術「ワン・メジャー」を活用する。膨大な人体計測データを基に人工知能(AI)が輪郭と身体的特徴から3次元(3D)データを予測し、仮想空間上のアバター(分身)で採寸するという。

婦人靴では珍しいオーダーメード通販を扱うキビラ(東京・中央)。片足ずつA4の白い紙に乗せ、写真1枚で採寸完了。10種類のサイズとSMLの3種類の幅から最適なサイズを推奨するパターンオーダー。左右異なるサイズに対応し、約1カ月で完成だ。

店頭で受注したオーダーメード約15万件のデータの蓄積から2次元の情報だけでも3D並みの精度で再現できるという。35~40歳の女性を中心に約1000足を販売した。

都内で会社を経営する神山佳夏さん(46)は爪先がとがったポインテッドトウのハイヒールを注文した。価格は1万円強。採寸結果と完成品を専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ(東京・渋谷)の靴作り講師、紀井長(ながし)さんに見てもらった。

神山さんは小さい靴を無料で交換してもらった(東京都目黒区の神山さんのオフィス)

実は当初、アプリが推奨したサイズの靴は足が入らず、2サイズ上げて作り直してもらった。作り直した靴は「これまで買った中ではベスト」(神山さん)の出来栄えだったようだ。一方、神山さんの足を実測した紀井さんは「アプリの推奨はあり得る長さだったが、神山さんは一般より甲が薄く幅が広い。とがった爪先ではサイズを上げるしかなかった。もともと爪先の形状が足の形に合っているとはいえない」と指摘する。

キビラの玉井摂人マーケティング部部長は「オーダー靴の平均値からサイズを推奨するので誤差は生じる。特にポインテッドのハイヒールは足幅が広めの人には合わないことがある」と話す。1回までは無料で作り直せるが、97%が1足目で満足するという。

シャツは納得の出来だったが、靴は好みや慣れの違いで難しい面もあると感じた。

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最適な靴、在庫からお薦め

ZOZOのサービスは専用マットに足を乗せて計測する(東京都渋谷区)

高精度に足を計測して在庫の中から最適な靴を推奨するサービスも広がってきた。ZOZOは専用マットに足を乗せてスマホで撮影すると、人工知能が通販サイト内から満足度の高い靴を提示する。伊勢丹新宿本店メンズ館(東京・新宿)は25日から紳士靴売り場で3次元計測器を使い、約400種類の在庫から最適な靴を薦めるサービスを始めた。お薦めの革靴を履くとZOZOはぴったりだったが伊勢丹はやや大きめ。百貨店の客は大きめを好むためらしいが、目星が付く分、客を待たせる時間は減らせるそうだ。

(堀聡)

[NIKKEIプラス1 2020年3月28日付]

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