コート選びはサイズ感 女性は背中、男性は肩チェック

NIKKEIプラス1

写真はイメージ=PIXTA
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印象を左右する冬のコート。防寒を優先すると着膨れして、やぼったく見えてしまう。自分に合うコートの選び方、すっきり着こなす基本のテクニックを教わった。

服はサイズや色・柄、素材で選ぶが、「コート選びで特に重要なのは、体に対して服のサイズがぴったり合っているかどうかを意味する『サイズ感』」。西武池袋本店(東京・豊島)コーディネートステーション、ファッションアドバイザーの佐藤香帆里さんは強調する。

先入観持たずに 試着し確かめて

まずはサイズ感から確認しよう。デザインが豊富な女性のコート選びは、男性よりも難しい。「近年、女性に流行するのは基準より大きめのオーバーサイズでロング丈のコート」と佐藤さん。

オーバーサイズのコートはサイズ感が合っていないともっさり見えてしまう。ボタンを全てとめて腕を水平に広げたとき、わきの下が突っ張らず、背中にシワの寄らないものがサイズ感が合っている目安。佐藤さんは「(SやMなど)いつものサイズと先入観を持たず、他のサイズも試着して」とアドバイスする。

身長とのバランスに悩む人もいるだろう。一般に小柄な人は膝上か膝丈だと軽快でバランスがよい。下半身がやや広がったAラインより、上から下まで細いIラインのほうがすっきりする。逆に背の高い人はふくらはぎより長いロング丈や裾広がりが映える。

女性はスカートとの組み合わせに気をつけたい。人気のロングスカートもコートからはみ出しすぎるとやぼったい。日本ファッションスタイリスト協会(東京・渋谷)所属スタイリスト、岩崎清美さんは「スカートが隠れるくらいか、裾の差10センチ以内に収めるとよい」という。

男性のコート選びは少し違う。ファッションコーディネーターでスタイリストの吉田泰則さんが重視するのは「肩幅と丈」。肩幅は指が1本入る程度のゆとりを。胸回りは手を広げてわき下あたりに10~15センチのゆとりを確認する。おなか回りなど自身の最も大きい部分がぴったりするコートを選ぶとすっきり見える。

仕事でジャケットの上に羽織るコートは異なる。「ジャケットを着て羽織ると、大きめになる。ジャケットがすっぽり隠れる長さで、膝上10~15センチに裾がくるとバランスがよい」(吉田さん)。ジャケットありなしで兼用するなら、細身のコートをすすめる。

「色や柄」、「素材」で受ける印象は男女とも共通。黒、紺や濃いグレーなど暗色は大人っぽく、上品でかっちりしている印象。ベージュや柄物など明るい色やチェックなどの柄物は、若々しくカジュアル、おしゃれな印象を与えやすい。ただ、暗色は顔に影が入り、疲れたように見えることがある。淡い色も顔色がくすんで見える場合がある。

最近は華やかなカラーコートも増えている。「自分に似合う色は、好きな色であることが多い」(佐藤さん)。若く、肌がパッと明るく見えたなら似合っているサインだ。

素材は「ウール」とダウンジャケットやキルティングなどの「非ウール」がある。ウール素材は落ち着いた印象で、フォーマル感が高くなり、非ウール素材は行動的で元気な印象になる。

ボタンやベルト 体形で工夫して

また、体のほとんどを覆うコートは着こなし方の工夫で、体形のカバーもできる。

「ふくよかな人や骨格がしっかりしている人はボタンをあけて羽織ると軽やかな印象」(佐藤さん)。前を開けるとコートが目立ち過ぎず、細長いシルエットがつくれる。

ベルト付きのコートは、ベルトを締めるとウエストを強調してしまう。おなか回りが気になる人は背で結ぶか外す。反対にやせ形の人や大きく見せたい男性などはベルトを結ぶとよい。上半身にボリュームが出て男性らしく、華やかになる。

小物使いでも印象は変わる。「コートの季節は顔まわりに明るい色のマフラーなどを取り入れて」(岩崎さん)。ライトグレーやストライプなど明るい色柄をプラスすると顔肌が明るく見える。岩崎さんは暗色のコートを着るときは色鮮やかなマフラーや手袋を合わせる。「メリハリがつき、気分が上がる」という。

オンとオフで使い分けたり、なりたいイメージで選んだり。シチュエーションに応じて選ぶことも重要だ。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2019年11月9日付]