つらい膝痛 動かして軽減 体操や水中エクササイズ有効装具も活用、残った軟骨維持

2019/11/6付
インストラクター(左)の掛け声に合わせて水中で体を動かす高齢者(埼玉県蕨市の「ルネサンス蕨24」)
インストラクター(左)の掛け声に合わせて水中で体を動かす高齢者(埼玉県蕨市の「ルネサンス蕨24」)

多くの高齢者を悩ませる疾患が膝の痛みだ。日本では約2800万人が何らかの膝痛を抱えるとされる。痛いからといって体を動かさないのは逆効果。むしろ適度な運動をすることで膝回りの筋肉を鍛えれば、膝への負担を減らして痛みを和らげることができる。

東京都板橋区の女性(73)は坂道で転倒して以来、膝が伸びなくなり膝痛に悩まされるようになった。トイレに行くのもままならないほど症状が悪化。医療機関から手術を勧められたが抵抗があり途方に暮れた。

そんな時、別の医療機関で勧められたのが体操による運動療法だ。以降、毎日体操をするようになったら、徐々に痛みが治まった。「体操のおかげで好きな旅行に出かけることができる」と女性は喜ぶ。

高齢者の膝痛の大半は変形性膝関節症が原因。緩衝材役の軟骨がすり減った結果、骨同士が擦れて炎症を起こし、神経を圧迫して痛みが生じる。加齢で筋力が衰えると膝への負担が増し、軟骨をすり減らす要因になる。特に閉経後、ホルモンが減る女性に多く、患者の7割以上を占める。

一般的な治療法は内服薬の服用やヒアルロン酸の関節注射。だが、単なる痛み止めにすぎず、一時的に痛みは和らぐが根治にはならない。効果的なのが冒頭の女性のような体操やストレッチによる運動療法だ。

いち早くこの療法を唱えた江東病院(東京・江東)の黒沢尚理事長は、3種類の体操を推奨する。

1つが脚上げ体操。あお向けに寝て片膝を立て、もう片方の脚を床から10センチほど上げ5秒間静止する。終わったらゆっくり下ろす。次が横上げ体操。横向きに寝て両脚の膝を伸ばしたままにして、上側の脚を10センチほど上げ、5秒静止したらゆっくり下ろす。

最後がボール体操。お尻とかかとを床につけ膝を立てて両脚を開き、サッカーボールなどの硬いボールを太ももの間に挟む。左右の太ももに力を入れてボールを潰すように押し、5秒たったら力を抜いて休む。3つの体操はいずれも交互に20回繰り返す。朝晩各1セットずつ行えば、痛みが和らぐ効果が見込まれる。

重要なのは膝痛があっても意欲的に体を動かそうと努めること。「軟骨がすり減っている状態に変わりはないので、体操をやめると痛みがぶり返す恐れがある。根気強くケアを続けることが大切」(黒沢さん)。その際、膝に負担をかけず効果的な運動ができる水中エクササイズもお薦めだ。