炒め物や煮込み料理にジャム コク引き出す酸味と甘み管理栄養士 今泉マユ子

2019/10/8付

ブドウにリンゴ、ナシ、カキなど、色とりどりの果物が店頭に並び始めた。旬の果物もおいしいが、毎日の献立でフルーツの味わいを年間を通じて手軽に楽しむなら、ジャムの活用がおすすめだ。

パンが主食の欧米では食卓に手作りジャムが欠かせない。日本における漬物のような位置づけと言えるだろう。イチゴやブルーベリー、アンズといった定番のフルーツジャムのほか、カボチャやサツマイモなどの野菜、バラやラベンダーなど花を使ったものもある。

日本ではジャムをパンやヨーグルトに添えたり、菓子の材料にしたりするのが一般的だ。使い道が限られていると、開けたもののなかなか減らずに残りがちだ。料理作りで調味料兼材料として使うようにすると、味に深みが出るうえ冷蔵庫も整理できて一石二鳥だ。

炒め物や煮込み料理を作るとき、砂糖の代わりにジャムを使ってみよう。ほんのりトロミがつき、フルーツの持つ優しい酸味や甘みが出て、まろやかでコクのある仕上がりになる。

ジャムは肉料理との相性がとても良い。果物の甘みと酸味が肉料理の塩味やうまみを引き立てるためだ。海外にはローストターキーにクランベリージャムを添えたり、ミートボールにコケモモのジャムを付けたりする人気の名物料理がある。最近ではバナナが入った焼き肉のたれもある。

お正月に作る田作りも、ジャムを使ってみよう。いりこ30グラムをフライパンで焦がさないように8分ほどよくいため、しょうゆ小さじ2とマーマレード50グラムを合わせたものを入れてよくからめると簡単に仕上がる。

私はマーマレードが大好物で、必ずストックしている。最近はアップルシナモンジャムにはまっていて、春巻きやギョーザの皮にのせて包み、油で揚げて「簡単アップルパイ」を作っている。揚げる代わりに、少し油を塗ってからトースターで焼いてもよい。

ジャムの賞味期限は保存容器や砂糖の量(糖度)によって異なる。市販のジャムは開封前だと長期保存が可能で、瓶詰なら1~2年、紙カップは約1年、小袋入りで6か月前後が目安だ。開封前は常温で、開封後は冷蔵庫で保存して2週間以内に食べ切ろう。チャック付きの袋などに小分けして冷凍保存もできる。

ジャムを取り出す際は清潔なスプーンを使う。パンなどに触れたスプーンは容器に戻さないよう気をつける。いろんな料理にジャムを取り入れて、レパートリーの幅を広げてみてほしい。

今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。

[日本経済新聞夕刊2019年10月8日付]