えとう・あきひろ 86年(昭61年)東大法卒、ブリヂストン入社。12年常務執行役員、19年1月から現職。大分県出身

工場の中の課題は目に見えるものばかりではありません。会議の議題にならないことにもネタはあります。顕在化していない課題をどう感じ、現場から聞き出すかが大切でとてもおもしろいと感じましたね。

ある時「鹿肉をドイツで食べたがいま一つだった」という話をしたら、狩り好きの従業員が机の上に自分で捕った鹿肉をサプライズプレゼントしてくれたことも印象深い思い出です。

工場の仲間たちはご近所同士という感覚で接してくれました。

栃木での経験を生かし、欧州の生産体制を見直す。

02年にベルギーに赴任しました。「まず生産改革に手をつけてほしい」と言われ、工場の閉鎖や新設など体制を見直すために各工場を見て回りました。栃木工場での経験は大きな自信になりました。

工場長などと話すときに全く工場を知らない経理屋が何を指摘をしても説得力がないでしょう。タイヤ工場はどんなパフォーマンスをすべきで、そのためにはどんな組織が必要かなど、実質的な調査や話ができたのは改革を進める上で強みとなりました。

あのころ
 ブリヂストンは2000年夏、1988年に買収した米ファイアストン製のタイヤで大規模リコール(回収・無償修理)が発生し、業績を圧迫した。01年には当時社長の故海崎洋一郎氏が辞任し、渡辺恵夫専務が社長に昇格。米州事業の再建やブランド力の回復に取り組んだ。

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[日本経済新聞朝刊 2019年6月25日付]

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