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服も肩書も脱いで仕事? 若手も参加、企業にサウナ部

NIKKEIプラス1

2019/4/20付

サウナの人気がじわじわ再燃している。企業には「サウナ部」が立ち上がり、老若男女がこぞって汗を流す。ワーキングスペースも併設するなどサービスも進化している。

「サウナに入れば役員も新入社員も関係ない。最初から裸だから、相手との壁が取り払われるのが早い」。EY新日本監査法人やEY税理士法人を統括するEY Japanの企業内部活、サウナ&スパ部の高須邦臣部長は話す。2016年にサウナ好きが集って部を立ち上げ、現在は52人が在籍している。

「服だけでなく肩書も脱ぐ」がモットー。月1回サウナに集い、併設のレストランで宴会を開く。プライベートな相談をしたり、キャリアの悩みを打ち明けたり。職場では出ない話題で盛り上がる。

コクヨやRettyにもサウナ部があり、社内コミュニケーションに一役買う。「フリーアドレス制になり、同じ部署でも全く顔を合わせない日がある。人とのつながりを求めているのかもしれない」(高須さん)

かつては中高年の男性が通うイメージが強かったが、最近は20~40代の男女の姿も目立つ。「タナカカツキさんのサウナ漫画『サ道』が世に出た3年前から若い人が増えた」と日本サウナ・スパ協会(東京・千代田)の技術顧問、中山真喜男さんは言う。

愛好歴30年以上の温浴施設コンサルタント、太田広さんは「インターネットとSNSのおかげで、スマホ1つでサウナの情報を調べられるようになり、若い人が色々なサウナを訪れている。今後もこの傾向は続く」とみる。

日本にサウナが生まれたのはいつだろう。日本サウナ・スパ協会の中山さんによれば、国内第1号は1957年、東京・銀座の「東京温泉」に設けられたという。

社長の許斐氏利さんは射撃の選手でもあり、56年のメルボルン五輪に出場した経歴の持ち主。選手村でサウナを見て刺激を受け、帰国後に東京にも作った。当時は壁一面にパイプを張り巡らし、蒸気を送って部屋の温度を上げる方式だったそうだ。

64年の東京五輪の選手村にもサウナが設けられ、ブームのきっかけとなる。「もともと日本人は風呂好き。汗をかいて水風呂に入る爽快感も支持された」と中山さん。

五輪後の昭和40年代には一気に全国にサウナが増えていく。73年の石油ショックで急減するが、その頃は4000店ほどあったとの説もある。

その後は、サウナがある健康センターなどができ、男性客だけでなく、ファミリー層も楽しむようになる。

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