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暮らしの知恵

古新聞を使って食器やトイレ 身近なモノで防災用品

NIKKEIプラス1

2019/4/20付

三浦秀行撮影

災害時、モノがないときにどうするか。身近なモノをどう使って代用するか。実際にイメージし、試しておくと役に立つ。ポリ袋や古新聞、ペットボトルなど簡単な防災工作をしてみよう。

7日、大阪府貝塚市で催された防災イベント。「ゴミ袋でポンチョ作り」を約200人が体験した。色とりどりのゴミ袋をハサミで切って作る簡単なものだが、無地のゴミ袋に絵を描いて楽しむ人も。「子どもたちは自宅にあるものでポンチョができるという発見に驚いていた」と指導した各地で防災指導するNPO法人プラス・アーツ(神戸市)の宮田純子さんは話す。

■手作りポンチョ 防じんや防寒に

このポンチョは雨よけだけでなく、防じんや防寒にもなり、「地震のあとの地割れなどで起きる土ぼこりなどからも身を守れる」と同法人理事長の永田宏和さん。使うのは90リットルの大きなゴミ袋。切り込みを入れてフードと首ひも、肩ひもを作る。子ども用に大きいゴミ袋を使う場合は、フードの部分に、深く切り込みを入れればよい。

普段とは違う使い道で役立つものは他にもある。例えば読み終えた古新聞。永田さんは「古新聞で作った紙食器は、持ち寄り食材で作った炊き出しの料理を分け合うときに使われた」と説明する。

紙食器は新聞紙を折り紙のように折って作る箱(ハコ型)だ。内側にポリ袋を掛けて使えば、食後、洗わなくていい。裏にテープを貼り段ボールの板に取り付けることで風に飛ばされることなく、ご飯やカレー、汁物など熱い食事も運べる。

「子どもが作れるうえに、同じ大きさで大量に用意できる。食事が公平に行き渡るのが利点」と永田さん。箱の折り方は何通りもあるけれど、1つ覚えておけばいい。

古新聞の用途は他にもある。断水時に非常用トイレが不足した場合、「緊急用トイレに活用できる」(永田さん)。二重に重ねたスーパーの袋を洋式便器やバケツなどに広げて設置。袋の底に、くしゃくしゃにもみ広げた新聞紙を重ね、細く割いてもんだ紙を入れていく。

排せつ後、消臭効果のある猫砂やおがくず、消臭剤をかけて袋をしばり、収集まで密閉容器に入れておく。

「いざというときのために、古新聞は1週間から10日分は自宅に保存しておくといい」と永田さん。読み終えたら不要と思い込んでいると、古新聞が食器やトイレに転用できるという発想が湧かない。体を包めば暖をとれるし、段ボールの板を切り取り、足裏と甲を覆うように足を包み、テープで固定しさらに新聞紙で包みこめばスリッパが作れる。吸湿性や保温性があると、印刷前の新聞紙をネット通販で買う人もいるという。

■非常時どう動く 家族で考えよう

普段は不要なのに非常時に役立つのは、飲み終えたペットボトルも同じ。切断すればコップや食器、水を運ぶときはバケツに。水害時には浮輪やライフジャケットになる。

ポリ袋と古新聞、ペットボトルは使い終わってもすぐに捨てずに、もしもに備えて保管することを習慣づけよう。「ポリ袋や新聞紙は非常用持ち出し袋に入れておくと役に立つ」と永田さん。

イベント参加や災害体験施設での学習以外に、家庭で防災意識を高める方法はある。

防災講座などを開くNPO法人ママプラグ(東京・渋谷)の事業代表、冨川万美さんは子どもの夏休みなどの自由研究のテーマに「防災」をすすめる。「近所の防災拠点を探してみたり、自宅の安全な場所や危険な場所を確かめたり。ミッション感覚で行うと楽しく取り組める」という。

単純に楽しいだけだと、災害の危険性を理解できない。「室内で割れたガラスを踏まないようにするのはなぜか?など、クイズ形式にして自分たちで考えさせるといい」とアドバイスする。

古新聞やペットボトルで何が作れるか考えたり、防災拠点を探したり。時間があるときに試してはいかがだろう。

(ライター 北本 祐子)

[NIKKEIプラス1 2019年4月20日付]

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