コンタクト、老眼にもフィット 広がる遠近両用品

遠近両用コンタクトのように多焦点の眼内レンズを入れれば、遠くも近くも見えるようになり、メガネがいらない。ただ公的な健康保険の対象外(先進医療適用)で高額なのが難点だ。

「モノビジョン」と呼ぶ治療法には公的保険が適用されている。左右で見え方が違う単焦点の眼内レンズを入れる手法で、効き目に遠くにピントが合うレンズ、もう片方の目には近くにピントが合うレンズを入れる。両目で見ると自然な見え方になるとされる。

利き目で見ると遠くがはっきり(モノビジョンのイメージ)=北里大学病院提供
利き目ではない方の目で見ると近くがはっきり(モノビジョンのイメージ)=北里大学病院提供
両目で見ると遠くも近くもはっきりする(モノビジョンのイメージ)=北里大学病院提供

北里大学病院(相模原市)で手術を受けた市内在住の女性(65)は「白内障の手術を受けてメガネをかけるのが嫌だった。遠くも近くも見えて不便なく生活が送れる」と満足する。同病院では、白内障の手術をする年間約3500人の患者の2割弱がモノビジョンを選ぶという。

北里大医学部の庄司信行主任教授は「度数の差をどう調整するかがカギ」と話す。手術のほか、事前検査のために十分なスタッフや設備が必要で、手術ができる病院は限られる。

庄司主任教授は「白内障患者には単焦点レンズの手術を説明し、勧めている。どうしてもメガネを使わずに遠くも近くもみたいという患者には、モノビジョンを選択肢の一つとして紹介している」と話す。

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眼科医と相談 慎重に選んで

「白内障治療の眼内レンズは種類によって見え方に違いがあります」。今月15日、井上眼科病院(東京・千代田)で白内障の手術を考える人を対象としたセミナーが開かれた。約50人の参加者に、眼科医がレンズの基礎知識、診察・手術の流れなどの注意点をわかりやすく説明した。

手術を考える人は、こうした情報をしっかり提供する医療機関を選んで知識を得るのが、判断する上で手掛かりになる。

白内障手術は年間150万件が行われていると推計されるが、このうち多焦点の眼内レンズは2%程度とみられる。ほとんどの手術が単焦点眼内レンズだ。

多焦点の眼内レンズは夜間に照明の周りに光の輪ができたり、にじんでまぶしく見えたりすることがある。単焦点レンズを使う「モノビジョン」は立体的に見えにくいことがある。

日本眼科医会の井上賢治常任理事は「日常生活で、どんな見え方を優先するのか眼科医とじっくり相談し、理解・納得した上で慎重なレンズの選択が必要だ」と強調する。

(近藤英次)

[日本経済新聞朝刊2018年12月24日付]

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