急なズキズキ、盲腸かも 早期発見なら手術いらず体力低下する夏場は注意/食生活 気をつけて

NIKKEIプラス1

虫垂内には石のように硬くなった「糞(ふん)石」ができることが多く「これがあると重症化しやすい」(川瀬教授)。まれに魚の骨や歯、義歯、金属類などが詰まりの原因になるケースもある。

虫垂炎の治療は早いほどいい。高齢者の場合は症状を感じにくく、来院時にはすでに重症という例もあるという。治療が遅れると、虫垂が破れて腹膜炎に至るおそれがあるので、注意が必要だ。

以前は虫垂を切除する外科手術が主流だった。今は「取らずにすむなら、なるべく手術はしない」という。かつて虫垂は切除しても特に影響がないと見られていたが、近年の研究で免疫や腸内細菌のバランスを保つ役割があるとわかってきたからだ。

「早期なら抗菌薬の治療で治る場合も多い」と島田教授は話す。ただ、薬の治療では「約1~3割は再発するため、最終的に手術を受ける人もいる」という。

子供の虫垂炎の診断には、超音波検査を優先する。ただし「虫垂に穴が開いているおそれがある、太っていて超音波が届きにくいという場合は、コンピューター断層撮影装置(CT)による検査も必要」と川瀬教授は話す。

手術は開腹と腹腔(ふくくう)鏡によるものがある。傷が小さく、術後の痛みも軽い腹腔鏡手術が半数を超えている。へそから内視鏡を入れ、下腹部に開けた2か所の約5ミリの穴から器具を出し入れして、虫垂を切除する。へその穴だけを使う「単孔式手術」も徐々に増えてきた。

虫垂が破れてうみがお腹にたまる重症例の場合、最近は抗菌薬で炎症を鎮めて、数カ月後に手術する「待機的虫垂切除術」が増えている。「手術時の傷が小さくてすみ、合併症も減る」(川瀬教授)

虫垂炎の予防は可能だろうか。島田教授によると、「虫垂炎の人は、そうでない人より食物繊維の摂取量が少ない」「便秘の人は再発しやすい」といった報告があるという。日ごろから食事に気をつけ、腸内環境を整えておこう。免疫力の低下を防ぐため、疲れやストレスをためないことも大切だ。

(ライター 佐田節子)

[NIKKEIプラス1 2018年8月11日付]

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
注目記事
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント