イオン飲料、子どもには注意 ビタミンB1の不足誘発

NIKKEIプラス1

2017/6/24付
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気温が高い季節は、熱中症や脱水を防ごうとスポーツドリンクなどのイオン飲料を選ぶ人が多い。飲み過ぎるとビタミンB1が不足し、特に子どもは身体の不調や深刻な症状に陥りやすい。注意点を探った。

運動後や汗をかいたときの水分補給に、イオン飲料をとる人は多い。糖分と塩分を含む飲み物を指し、身近なのはスポーツドリンクだ。体に良い飲み物という印象から、子どもに日常的に与える親もいる。近年は飲み過ぎで「かっけ」になる子どもが、離乳期を中心に増えている。

かっけは戦前に多かった病気だ。ビタミンB1欠乏症の一つで、手足のしびれやむくみが起き、歩きにくい、一人で座りづらいといった神経症状が出る。重症化すれば心不全を引き起こす。

ビタミンB1が欠乏する原因は、スポーツドリンクの糖分だ。100ミリリットル当たり約5グラムの糖分を含む。

ビタミンB1は体内で糖を分解してエネルギーを作るために必要。豚肉やウナギなどに多く含まれ、現代の食生活では不足しづらい栄養素ではあるが、スポーツドリンクを1リットル飲むごとに体内のビタミンB1を約0.1ミリグラム消費する計算になる。

イオン飲料と同様に糖質の多い即席麺類の場合、日本即席食品工業協会(東京・台東)は1993年、指針の下でビタミンB1の添加を始めた。一方で大半のイオン飲料はビタミンB1を含まないため、不足を防ぐには食事からの補給が必要になる。

島根大学講師で小児科医の長谷川有紀さんは、全国5千件以上の子どもの尿検体の調査で、10人を「かっけによる心不全」と診断した。主治医への聞き取りで、離乳期の9人が十分な食事を取らず、代わりに1日1リットル以上のスポーツドリンクを飲んでいたと判明した。

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