若々しさは美眉から 自然な太さでリフトアップ
眉は、顔の印象を左右する重要なパーツ。間違った眉メークは老け顔のもとだ。目周りの年齢変化に着目し、眉の太さや角度、眉尻の位置などを調整すれば、顔を若々しく見せることができる。
30代、40代、50代……と年齢を重ねるうち、少しずつ変化していく顔。特に目周りは年齢が表れやすい。顔の中でも"老け"を印象づける部分といわれる。
例えば筋肉と皮膚が衰え、まぶたが垂れてくる。まさに「老化=下がること」の一例だ。しかし実は、これに伴い上がるところがある。眉山だ。まぶたのたるみや視力の衰えが始まると、狭まった視野を広げようと額の筋肉を使って目を開きがちになる。すると眉山を引き上げるのがクセになり、その表情が顔に記憶されてしまうという。
細いアーチ 老け感を増長
眉山が上がると、眉と目の間隔が広がる。すなわち目元がぼやけ、顔が間延びして老け感が増す。これをカムフラージュし、若々しく見せるには「眉に太さを出し、眉山をなだらかにすればよい」。アナスタシア表参道店(東京・渋谷)=写真=の吉田理恵さんは助言する。
若い頃に流行したアーチ形の細眉をいつまでも続けている人が意外と多い。これは時代に合っていないうえ、眉と目の間隔をますます広げてしまうのでNGだ。吉田さんは「まぶたのくぼみも強調されやすい」と話す。への字のように角度がついたアーチ眉ではなく、あくまで自眉を生かした、自然な太さのなだらかな眉にするのが正解。では具体的にどうすればいいのか。
メイクアンリミテッド(東京・品川)代表の土方俊平さんは「まず眉山の下から眉尻に向かって、生えムラをアイブロウパウダーで埋める」のがポイントだという。
パウダーで埋めきれないムラは、アイブロウペンシルで埋める。この眉下部分は、毛がまばらな人が多い。細眉の流行時代に毛を抜きすぎて生えてこないなどが原因だ。そんな人は、すき間に毛を足すイメージでパウダーとペンシルをのせてみよう。カーブしていた眉下がストレートに形作られ、眉全体がなだらかに。適度な太さも出る。
ちなみにアイブロウペンシルだけだと、いかにも"描いた"感のある、のっぺりとした眉になりがち。「ナチュラルに仕上げるには、パウダーとペンシルを併用して。ダブル使いすれば落ちにくさもアップする」と土方さん。色は肌を明るく見せるダークブラウンがおすすめだ。
眉尻の位置 少し上げて
眉をなだらかにするもう1つの手段は「眉尻の位置をこれまでより少し上げること」と吉田さん。位置の目安は、眉頭よりやや上。年齢とともに下がってくる眉尻の補正にもなる。なぜ下がってくるのかといえば、筋肉の衰えで目尻が下がってくるのに連動するから。年齢を重ねると、眉山は上がるが眉尻は下がると覚えておこう。若い頃と同じ長さに描くと、下がりすぎの眉尻になる。眉尻を少し短めに描けば「顔全体が引き締まり、リフトアップした印象になる」と吉田さんは話す。
眉頭から眉山にかけては、やはりパウダー、ペンシルのダブル使いで生えムラを埋める。年齢を重ねると、この部分も薄くなったと実感する人が多い。頭髪と同様に眉毛も1本1本が細くなりボリュームダウンするからだ。ぼんやりしたまばら眉は、目力を弱め、老けて見える原因に。とはいえ「輪郭をペンシルでくっきり描きすぎないで」と土方さんは注意する。描くのではなく、毛の足りないところに足すイメージを持とう。不自然な眉は、かえって老け顔のもと。「あくまで自然に」が若返りのコツだ。
そこで提案したいのが、スクリューブラシの活用。のせすぎたパウダーやペンシルの色をぼかし、眉になじませることができる。ブラシで根元を立ち上げてから横に流すことで、眉に若々しい立体感が生まれ、毛流れが整うという効用も。
土方さんは「ブラシ→パウダー→ブラシ→ペンシル→ブラシと交互に使う」ことをすすめる。最初にブラッシングするのは、スキンケアの油分を取り除き、眉メークの持ちをアップさせるため。「スクリューブラシは美眉のカギ」(土方さん)だという。
見た目老化が気になりだしたら、まずは眉を見直してみてはいかがだろうか。
(ライター 松田 亜希子)
[NIKKEIプラス1 2017年4月22日付]
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