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頭痛や眠気、春のせい? 2分間「頭痛体操」が有効

NIKKEIプラス1

2017/4/15付 NIKKEIプラス1

 新生活を始める人が多い春。変わりやすい天気と、年度初めの環境変化によるストレスが重なって、頭痛や眠気といった不調が起きがちな時期だ。上手に春の不調を乗り切る方法を専門家に聞いた。

 「春先は頭痛や気だるさ、眠気などの不定愁訴で来院する患者が増える」と東洋医学研究所付属クリニック(東京・渋谷)の川嶋朗医師は話す。春に不調が増える大きな要因は、気候の変動やストレスが大きくなり、自律神経の働きが乱れることにある。

 自律神経は体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経からなる。副交感神経の働きが増してくる春は、交感神経が優位な冬の状態から切り替わる時期にあたる。「気候の変化も相まって、自律神経の働きが乱れやすい。血管の拡張や収縮が適切に調節できなくなって、頭痛や倦怠(けんたい)感など様々な不調を引き起こす」と川嶋氏は指摘する。

 実際に「気圧や気温など環境の変化が、片頭痛や緊張型頭痛を誘発することがわかっている」と日本医科大学付属病院(東京・文京)の臼田和弘講師は語る。気圧が高いと交感神経が優位になり、低いと副交感神経が優位になる。

 3月から5月は、低気圧と高気圧が交互に日本付近を通過するため大気の状態が不安定になる。寒暖の差も激しいので、頭痛を引き起こす要因が重なりやすい時期といえる。

 入学や卒業、人事異動など環境の変化が多い春先は、精神的なストレスも増えがちだ。「ストレスがたまると神経や筋肉の緊張が高まり、緊張型頭痛が起きやすい。ストレスから解放される週末や休日でも、片頭痛になりやすい人もいる」(臼田講師)

 ストレスで寝不足に陥り、昼間の眠気に悩むケースもある。「緊張やプレッシャーが原因の精神的な疲労や倦怠感を、眠気と感じる人もいる」とスリープ&ストレスクリニック(東京・品川)の林田健一院長は話す。

 花粉症も追い打ちをかける。「花粉症で夜の眠りが妨げられ、睡眠の量と質が低下する人も多い」(林田院長)。眠気と睡眠不足による頭痛を招きやすい。鼻詰まりで頭に十分な酸素を送れなくなることもあり「花粉症も頭痛の原因になる」(臼田講師)。

 これらの不調を防ぐには、食事や睡眠といった生活のリズムを整えて、自律神経の乱れを抑えることが大切だ。入浴や運動などでリラックスを図ってストレスを緩和し、夜は十分な睡眠をとる。パソコンやスマホの操作は覚醒を促すので、夜間は控えめにしたい。寝不足の日が続かないように、7時間から8時間の睡眠を2日に1回は確保するよう心がける。

 ただし寝過ぎも頭痛の原因になる。休日の寝だめも要注意だ。「昼間にどうしても眠気を感じるときは、20分から30分程度の短い昼寝をするといい」と林田院長。花粉症対策の薬を飲む人は、日中は眠気を起こしにくい抗アレルギー薬を選ぶとよい。

 春は陽気のイメージが強いが、毎日の気温の変化や、昼と夜の気温差が大きい場合もある。上着やストールを活用して寒暖差に対応するのも、不調対策として有効だ。

 頭痛の対策には腕を振る頭痛体操がお薦めだ。まっすぐに立ち、肘を曲げて手を胸の位置まで上げる。頭を正面向きから動かさないようにして、腕の力を抜いて両肩を大きくリズミカルに回す。1回あたり2分間を目安に続ける。「首や肩の筋肉をほぐすと脳の痛みを調節する経路を刺激して、片頭痛の予防と緊張性頭痛の緩和に効果がある」と臼田講師は説明する。頭痛が起きているときは逆効果になるので、控えておこう。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2017年4月15日付]

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