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寺社巡り、スマホが導く GPS連動で歴史や宝物解説

2016/9/8付 日本経済新聞 夕刊

9月に入って酷暑も一段落し涼しい秋の足音も聞こえてきた。散歩や観光にはうってつけの時期だ。心のリフレッシュのために全国の寺院や神社を巡るのもよいだろう。寺社と聞くとハードルが高そうだが、万人を広く受け入れるのが神や仏の精神。敬遠するのはもったいない。全国で総数は数十万におよぶとされる寺社のスポット探しができるアプリもあり、活用すれば外出も楽しくなりそうだ。

■御朱印の写真記録

せっかく寺や神社を訪れるからには参拝の「証」となる御朱印も集めたい――。そんなときに役立つのが、カムラック(福岡市)が提供する「かむ朱印」だ。全国にある主要な寺社3万5000カ所以上をカバーしており、アプリ内に御朱印の写真の記録帳がある。

「かむ朱印」は寺社巡り情報をSNS投稿で共有できる(東京都中央区の小網神社)

開発責任者のカムラックの井上寛之氏も御朱印コレクターのひとりだ。仕事のかたわら、年間で全国40~50カ所の寺社をまわり、御朱印を集めているという。

アプリは全地球測位システム(GPS)と連動しているため自分のいる場所の近くにある神社や仏閣がわかる。ちょっとしたすきま時間に周辺探索に使えば、一息つくスポットを見つけられるかも。お気に入りの寺社を見つけた場合、アプリ内で日記をつけて交流サイト(SNS)に投稿することもできる。

出張や休暇で日本全国を飛び回ることの多い東京都内在住の会社員、渡辺知之さん(24)もヘビーユーザーの1人だ。「自分がよく知らない旅先でもGPS機能を使って近くの寺社がすぐに検索できるので助かります」と話す。

かむ朱印は現在は霊場の登録に力を入れている。利用者からは近所の小さな寺社を登録してほしいとの要望も多く来ているといい、「随時反映して掲載情報を増やしたい」(カムラックの井上氏)。スマートフォン(スマホ)では現在、アンドロイド版のみの提供だが、今後はiOS版もリリースする予定だ。

掲載件数の多さを誇るのがアットステージ(東京・中央)が提供する「神社・仏閣まっぷ」だ。全国約8万カ所の寺社の地図情報を掲載している。地元の住民にしか知られていないような穴場も多い。アプリの地図上で矢印で示されている目印をクリックすると、最寄り駅や電話番号、ホームページなどの基本情報を閲覧できる。より細かい情報をネット検索する「入り口」として活用できそうだ。

■地域特化で詳しく

日本全国には様々な宗派の寺院などが分布しており、各地域に特化したアプリも続々登場している。たとえば日本システム技術や禅文化研究所(京都市)、和合舎(京都府宇治田原町)が共同で提供する「京都禅寺巡り」だ。

その名の通り、京都近郊にある臨済宗と黄檗宗(おうばくしゅう)の約80の寺院について、アクセス方法のほか、各寺院の歴史、境内の建造物や宝物まで詳しく紹介している。アプリ内の検索機能もあるため、参拝する寺院の目星をつけやすい。

訪れた寺院の紋章がスマホに自動登録される「スタンプラリー」には季節限定版もある。禅に関連したクイズ、禅語や法話の解説なども閲覧できる。アプリ開発の狙いについて禅文化研究所の西村恵学氏は「金閣寺や銀閣寺が禅寺であることなど、お寺の歴史的背景を知らずに訪れる人は案外多い。学習しながら観光し、参拝を意義深いものにしてほしい」と解説する。

各寺院の詳細情報はネットでも取得できるが、同アプリでは掲載内容や写真について事前に寺院側に取材をしており、情報の正確性は高い。

地域の観光関連アプリには必ずといってよいほど寺社の情報も載っているが、今回紹介したアプリと組み合わせて使えば新たな発見も増えるはず。旅の思い出を一層深めることができるだろう。

(証券部 真鍋和也)

[日本経済新聞夕刊2016年9月8日付]

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