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宝塚「エリザベート」、再演重ねて20年

死の化身 変幻自在の美

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NIKKEI STYLE

ウィーン発のミュージカル「エリザベート」を宝塚歌劇団が初演して今年で20年。従来の宝塚のイメージを打ち破り、日本のミュージカル史にも金字塔を打ち立てた作品の魅力を探った。

7月22日、兵庫・宝塚大劇場で宙(そら)組公演「エリザベート」の幕が開いた。主役の黄泉(よみ)の帝王トートを演じるのは宙組トップの朝夏(あさか)まなと。暗い紫がかったストレートヘア、黒い皮のスーツに身を包み、ロックミュージシャンのようにりりしくワイルドな立ち姿だ。従来の銀髪にシックな衣装のトートとは違い、「現代的でスタイリッシュなイメージにした」(朝夏)という。

主役をチェンジ

ハプスブルク帝国の皇后エリザベートに寄り添う「死」という抽象的概念を擬人化したのがトートだ。朝夏は表情をあらわにせず、クールに歌い踊る。宝塚に入団した2002年、端役で出演して以来、願っていた大役で「20周年の節目に願いがかない、うれしい」と顔をほころばせる。

主役はオリジナル版ではエリザベートだが、1996年、宝塚で上演するにあたり、男役トップが演じるトートに置き換えた。トートが「お前の生命(いのち)奪う替わり 生きたお前に愛されたいんだ」と歌いあげる「愛と死の輪舞(ロンド)」は宝塚のためにオリジナル版の作曲家が提供。エリザベートとトートの愛に焦点を当て最後は2人の愛が成就する。

日本初演時から潤色・演出を手掛ける小池修一郎は「死という不幸を甘美に描くこの作品はおよそ宝塚的ではない」と指摘する。初演は当時、雪組トップだった一路真輝の引退公演。歌劇団の顔であるトップスターが「死」を演じることには批判も多かった。だが、蓋を開けると評判を呼び、再演を重ねる不動の人気作に。観客動員は延べ216万人で「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」に続き宝塚史上3位になる。

「原作台本には『死はアンドロギュヌス(両性具有)である』とあり、女性が男役を演じる宝塚にピタリとはまった。宝塚は女性が演じるというフィルターを通すので、役柄とのずれを埋めやすい」と小池は言う。

「異次元感がある」

これまで9人のトップがトートを演じ、それぞれで印象ががらりと変わるのも人気の理由だ。基本的な演出は変わらず物語や曲、ダンスもほぼ同じ。変えるのはトートの髪形と衣装くらいで、「死という役柄の解釈でいかようにも変わっていけるのが面白い」(小池)。

「近未来から来たような異次元感がある」と朝夏を小池は評す。時空を超越した存在のトート像に合っている。エリザベートを演じる実咲凜音(みさきりおん)は歌唱力に定評があり「ひたむきに生きようとし、挫折感がよくあらわれている」(小池)。はつらつとした少女期から、悲しみに打ちひしがれる晩年までを歌で表現する役にふさわしい。

「この作品は出演者が舞台に慣れないと、思うようにまとまらない」と小池は言い、試行錯誤は続く。朝夏率いる宙組が「エリザベート」の歴史にどんなページを書き加えるか、注目だ。

東宝版、オリジナルに近く

1992年、オーストリアのウィーンで初演された「エリザベート」は、ハプスブルク帝国末期の皇后の生涯を描く。エリザベートは皇帝に見初められ、16歳で宮廷に入るが、伝統や格式になじめず、自由奔放な生き方を求め続ける。少女時代、死をつかさどるトートに魅入られ、度重なる誘惑を拒絶するが、夫の浮気や皇太子の死など試練が次々と降りかかり、ついには死を受け入れる。

ハンガリーやオランダ、ドイツなどでも上演され、日本では2000年、オリジナル版を基にした東宝版「エリザベート」も製作され再演が続く。東宝版はエリザベートが主役で初演時、宝塚の初代トート役・一路真輝が演じた。15年からは、宝塚版初演時にエリザベートを演じた花總まりが東宝版でも同役を務める。

宝塚版は22日まで宝塚大劇場、9月9日~10月16日東京宝塚劇場で。東宝版は6~7月の東京・帝国劇場に続き、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場、名古屋・中日劇場で。

(大阪・文化担当 小国由美子)

[日本経済新聞夕刊2016年8月1日付]

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