空港で買えるご当地スイーツ土産 全国14品
旅の余韻 おすそわけ
旅行や帰省でお土産を買う機会が増える季節。各空港にはそこでしか買えない限定のお菓子やご当地ならではのスイーツがあり、実家や職場、友人へのお土産にぴったりだ。そこで全国4カ所の空港で買えるスイーツを専門家が試食し、お薦めを挙げてもらった。
羽田空港では他ではあまり買えない限定品が上位に入った。新千歳空港、伊丹空港と関西国際空港、那覇空港ではそれぞれ地域の特産品を使ったご当地スイーツがランクイン。ロングセラーの定番品から新顔まで並んだ。近年は大手菓子店が空港スイーツに参入し「空港の菓子のレベルが年々高くなっている」(菓子ジャーナリストの山本諭さん)。味もパッケージも洗練されたものが多い。
お土産は相手のことを踏まえて選びたい。ビジネスマナー講師の寺山まりさんは「相手の家族構成、年齢をよく考えて」と助言する。先方が持て余してしまわないように「少なめかなと思うくらいの量にすること。そうすれば『次も持ってきてほしい』と思ってもらえる」。
さらには「つまらないものですが」という謙遜も不要という。「『限定で人気品みたいだから、ぜひ召し上がってほしいと思って』と伝えた方が喜ばれる」(寺山さん)。渡す時は、どんな親しい間柄でも紙袋から出して箱を渡すのがマナーだ。
<羽田空港>
季節の果実くるり 限定の味
羽田空港と東京駅限定のロールケーキ。「バニラビーンズたっぷりのクリームがしっとりした生地で巻かれていて、誰からも好まれる」(下井美奈子さん)。中の果実は季節ごとに変わる。夏季はバナナ、マンゴー、イチゴの3種類。「形が崩れにくいので飛行機への持ち込みも便利」(烏田智子さん)。冷蔵品のため「家族へのお土産として、その日のうちに食べるのに向く」(平岩理緒さん)。(1)1836円(2)冷蔵2日(3)第1旅客ターミナル2階「東京食賓館」、第2旅客ターミナル2階「金の翼」など
濃厚な口どけ 装い洗練
薄めのクッキーでチョコレート、キャラメルを挟んだ濃厚なスイーツ。「シンプルながら手のこんだつくりで、口の中に様々な食感が広がる」(下園昌江さん)。黒とゴールドを基調としたパッケージも洗練されており「新たな東京土産の定番になりそう」(山本諭さん)。羽田空港と大丸東京店限定。(1)8個入り1080円(2)2~3週間(3)第1旅客ターミナル2階「東京食賓館」、第2旅客ターミナル2階「SMILETOKYO」
白梅甘露煮と粒あん 心和む
パイ生地で、小豆の粒あんと白梅の甘露煮を包み込んだ和洋折衷のスイーツ。「梅の甘酸っぱさが意外なアクセントになっている。粒あんがほっくりと心和ませる味」(平岩さん)で、年配の人にも良い。「トースターで軽く温めるとパイ生地がさらにサックリしてより楽しめそう」(山本さん)。羽田空港限定。(1)5個入り1080円(2)10日(3)第2旅客ターミナル2階「東京食賓館」
「甘さ控えめのあんとしっとり、もっちりした皮が絶妙」(松本学さん)と、高級感のあるどらやき。皮に菊の模様の焼き印をあしらい「いかにも東京土産らしい」(中尾隆之さん)。(1)8個入り2592円(2)45日(3)第1旅客ターミナル1階「エアラインショップ1」など
オーガニックにこだわったガーナ産カカオを使った。「甘さ抑えめで大人向き。オフィス土産にも良い」(中尾さん)。羽田空港の「ANA FESTA」限定。(1)8個入り1080円(2)20~30日(3)第2旅客ターミナル1階の「ANA FESTA」など
<伊丹・関西国際空港>
にっこりスフレ
練乳と北海道産生クリームを合わせ、柔らかいスフレ生地で挟んだ。スマイルマークのパッケージで「見た目もかわいく、誰もが笑顔になれるスイーツ。ふわっとして子どももうれしい味」(植木祐梨子さん)。伊丹空港では冷凍での販売で「夏でも冷たく食べられるおやつとして喜ばれそう」(烏田さん)。個包装なので配りやすい。(1)6個入り1296円(2)解凍後4日(3)伊丹空港南ターミナル2階リュニベール
繊細な和風マドレーヌ
国産の米粉や小麦粉、発酵バターを混ぜ合わせた生地に黒大豆を入れた和風のマドレーヌ。「きめ細かいスポンジのような生地で、黒豆入りということもあり、日本茶とも相性が良さそう。年配の人へのお土産に」(下園さん)。(1)15個入り1625円(2)5、6日(3)伊丹空港北ターミナル2階スカイプラザ、関西国際空港第1ターミナルビル・アプローズなど
京都の老舗「森半」の宇治抹茶をふんだんに使ったフィナンシェ。バターの濃厚な味わいと抹茶の香りを楽しめる。(1)6個入り1620円(2)40日(3)伊丹空港北ターミナル2階スカイプラザなど
<新千歳空港>
北海道特産の果実、ハスカップのジャムを薄いクッキーで挟み、チョコレートでコーティングした。1978年の発売以来のロングセラーで「北海道に行く時には必ず買うようにと客室乗務員の先輩から言われた王道のお菓子」(谷口信江さん)だ。ホワイトチョコバージョンとのセットは新千歳空港限定。「チョコの甘さとハスカップの酸味が合う」(烏田さん)。(1)10個入り1600円(2)冷蔵15日(3)国内線ターミナルビル2階スイーツアベニュー
北海道産の生クリームなどに、焼いたアーモンドを加えた生キャラメル。店内のキッチンで手作りしている。「アーモンドの香ばしさが印象に残る。持ち運びにもちょうど良い大きさ」(寺山まりさん)。新千歳空港限定。(1)8個入り864円(2)14日(3)国内線ターミナルビル2階
人気パティシエの辻口博啓さんがプロデュース。牛乳や砂糖、卵など原材料は全て北海道産。空港内の窯でしっとり焼き上げる。「やわらかく、甘すぎず、ふわふわ食感」(植木さん)。新千歳空港限定。(1)個包装6切れ入り1350円(2)10日(3)連絡施設3階
<那覇空港>
サツマイモと紫色の唐芋を使ったなめらかな味わいのケーキ。「紫色で見た目にインパクトがあるが、唐芋クリームは沖縄料理のように優しく甘さ控えめ」(松本さん)。半分解凍すればしゃりしゃりとしたアイスのような食感に。那覇空港限定。(1)10個入り1814円(2)解凍後、冷蔵7日間(3)ターミナルビル2階ブルースカイなど
沖縄産完熟マンゴーを使いさっぱりと仕上げた。「さわやかなマンゴーの風味が閉じ込められ、つるりとしたのどごしは夏にうれしい」(下井さん)。(1)5個1080円(2)180日(3)ターミナル2階ブルースカイなど
生チョコレートで有名な北海道のメーカーの子会社が手掛ける。沖縄産の黒糖を使い、コクと甘み、苦みのバランスが良い。(1)32枚702円(2)120日(3)ターミナル2階ブルースカイなど
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表の見方 数字は選者の評価を点数化。商品名、メーカー名(1)税込み価格(2)日持ちの目安(3)取り扱い店舗
調査の方法 新千歳、羽田、大阪の空港(伊丹・関西国際空港)、那覇空港の限定商品や売れ筋を各空港に調査してリスト化。スイーツやお土産のマナーに詳しい専門家に選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)
植木祐梨子(フードアナリスト)▽烏田智子(ANAビジネスソリューション講師)▽下井美奈子(スイーツコーディネーター)▽下園昌江(お菓子研究家)▽谷口信江(フードアナリスト・元客室乗務員)▽寺山まり(キャプランシニアインストラクター)▽中尾隆之(旅行作家)▽平岩理緒(「幸せのケーキ共和国」主宰)▽松本学(ご当地グルメ研究会代表)▽山本諭(菓子ジャーナリスト)
[日経プラスワン2016年7月23日付]
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