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肩こり解消体操 1回3分、回してすっきり

2014/6/3 日本経済新聞 朝刊

首や肩の「こり」に悩む人は多い。鎖骨が通常よりも下がっていると悪化しやすいなど、骨や筋肉の状態と症状との関係がわかってきた。こりが進むと、うつ症状などにもつながるという。防ぐには自分の体をよく知り、ストレッチなどで硬くなった筋肉をほぐすとよい。ただ、神経を傷つける恐れもあるので慎重さが必要だ。

一口に肩こりといっても実際には頭から首、肩、背中にかけての広い範囲が固まったようになったり痛んだりする。東京医科大学の遠藤健司講師は数年前、ひどい肩こりに悩まされた。疲れ目やめまいも重なり集中力が低下した。

■鎖骨下がり水平に

正常な鎖骨は中心から外側に向けV字状に伸びる(右)が、下がり鎖骨は水平に近い(東京医科大学の遠藤健司講師提供)

「手術が多い時でもこんなことはなかったのに」。鏡を見て、体の中央から左右にのびて胸を広げるつっかい棒役の鎖骨が、本来のV字形ではなく水平に近い状態なのが一因ではないかと気付いた。「下がり鎖骨」だ。鎖骨と肋骨の間を通る血管が圧迫され血行が悪くなりやすい。神経に余計な力がかかり、手のしびれにつながることもある。

体調変化のきっかけは整形外科学教室の医局長になり、前かがみで机に向かって事務作業をする時間が増えたこと。頭を支える首の後ろの僧帽筋が使いすぎや緊張で硬くなり、肩こりが起きた。これに下がり鎖骨による血行障害などが加わり、悪化したようだ。肩こりがひどくなったと訴える患者は、もともとなで肩が多い女性に目立つという。

本来、緩やかなカーブを描く頸椎(けいつい)が棒のようにまっすぐになる「ストレートネック」も首こりや肩こりを悪化させる。あごが突き出た格好になり、首の筋肉に大きな負担がかかる。首の長さ、なで肩、頸椎のカーブなどは「遺伝的要素と生活習慣の両方が関係し、個人差がある」と慶応義塾大学医学部の石井賢専任講師は指摘する。

生まれつきの体格などが原因でも、筋肉を上手にほぐせればこりをかなり和らげられる。東京医大の遠藤講師は、肩をゆっくり上げ下げしたり回したりする「肩こり体操」を勧める。1回3分程度、1日2、3回実施するとよい。

ポイントはほぐしたい筋肉を意識することだ。肩を回す場合は、肩甲骨を少し痛いくらいに強く寄せる。体全体を揺らして大きな動作をする必要はない。肩甲骨を動かすと、首のこりにもよいという。入浴時にあごすれすれまでたっぷりの湯につかり、筋肉の血流を改善させるのも効果的だ。

■勢いはつけない

慶応大の石井専任講師によると、体の動かし方や姿勢ではいくつか誤った常識もあるという。たとえば首がこる時に、あごをあげて思いきり上にそらせると気分がよくすっきりすると考えがちだ。しかし、脊髄から枝分かれした神経の出口が狭まって圧迫される可能性があるので「勢いをつけてそらせないように」と注意を呼びかける。

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