基本はあくびの形 劇団四季に学ぶきれいな発声法

声は人の印象を左右する。聞き取りやすく、きれいな声が出ると、自然とコミュニケーションにも自信がもてる。ちょっとしたコツを知るだけで、発声法は変えられるという。独自の方法論をもとにミュージカルなどを上演する劇団四季に、1日5分からできる、きれいな発声法を教わった。
開演前に発声練習をする劇団四季の団員(東京都港区の四季劇場[秋]) =写真 編集委員 塩田信義

体全体使いおなかから

12月下旬の朝、四季劇場[秋](東京都港区)の楽屋に入ると、開演の2時間以上前から俳優の準備が始まっていた。この日の演目はミュージカル「マンマ・ミーア!」。リハーサル室に俳優約30人が集まり、バレエで汗を流した後、さらに30分、発声練習をする。

「劇団四季はセリフが明確なことで有名」と、演劇・ミュージカル評論家の萩尾瞳さんは話す。「大劇場の2階の端っこの席でも、しっかり歌詞を理解できる」

秘訣は独自の発声法にある。「呼吸法」「母音法」「フレージング法」の3つから成る。劇団創立60周年の今年、浅利慶太代表はこの四季メソッドを本にまとめた。浅利さんは「演劇を目指したことのない人でも、きれいな話し方ができる」と指摘する。

劇団の中心俳優、青山弥生さんが、具体的に教えてくれた。

まずは「呼吸法」。声は「喉でなく、おなかから出すのが基本」。両足を肩幅に開いてリラックスして立ち、ヘソの2~3センチ下(丹田)に重心を置く。息をスーっと吐ききったら、今度は胴周りがビア樽(だる)のように膨らむイメージで思い切り息を吸う。吸いきったら2秒間停止。ゆっくり口から息を吐ききる。

これは腹筋と背筋を使った腹式呼吸。「声は体という楽器から出る」。おなかから体全体を使って声を出す。