大人も楽しい 遊びの幅広がるスマホ連動おもちゃ
動物を模した商品はおもちゃの定番だ。バンダイが昨年発売した犬型ロボット「スマートペット」は、4足歩行したりくしゃみをしたりと本物の犬のようなしぐさを見せる。米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をロボットの顔にあたる部分に取り付ける。対応アプリを事前にインストールしておき、専用画面をタッチすることで、画面が犬の表情を映し出す。アプリとロボット本体が連動して、喜んだり、走り回ったり、眠ったりするわけだ。遊んだ回数に応じてしぐさや芸を学習する。100種類以上の動作があり、遊びの幅が広がる。
スマートペットの全世界の累計出荷数は、玩具のヒットの目安とされる10万個を突破する見込み。ファミリー層のほか、ペットを飼えない50~60代の男性にも人気という。
同じペット型の商品では、ソフトバンクBB(東京・港)が今月発売したぬいぐるみの「ウーブリー」がある。顔の部分がくりぬかれており、その部分にスマホ画面が見えるように入れ込んで使う。スマートペット同様、スマホ画面が顔になる。
物語を読み聞かせ
4~10歳の子どもが対象で、例えば「物語を聞かせて」と言うと、呼応して語り始める。ゲームや計算など150種類以上のコンテンツを用意。毎月更新されるので飽きにくいという。「ウーブリーを先生に見立て楽しみながら学べる」(同社)といい、知育玩具として売り出している。
以前からロボット型のおもちゃはあったが、開発費がかかり価格は高かった。しかしスマホが内蔵する加速度センサーや音声認識技術を活用することで、低価格でも複雑な動きができるおもちゃが開発されるようになってきた。
ロボット型以外に楽しめるおもちゃとして、ソフトバンクBBの「ルクシィ アクアリウム」がある。箱型装置で、米アップル製タブレット「iPad(アイパッド)」を取り付け、ライトをつけると、特殊プラスチックがiPad画面を箱内部に反射させる。この3次元効果で本体を水槽に見立てる。画面に表示する、魚が泳ぐ映像と合わさって、本物の水槽を見ている雰囲気を楽しめる。
iPhoneを使えば、さらに釣りゲームもできる。iPadとiPhoneを無線通信規格ブルートゥースで接続。iPhoneを釣りざおのように持ち、本体に向かって糸を投げるしぐさをすると、加速度センサーが動きを認識し、魚が針に食いつく動きを見せる。
画面で無線カー操作
模型販売の京商(東京・千代田)が提供する「ZENWheelsマイクロカー」は全長約6センチメートルの手のひらサイズの無線操縦カーだ。スマホ画面がコントローラーになる。
画面上にはハンドルが表示され、指でなぞって操作するモードや、進行方向にスマホを傾けて操作するモードなど、4種類の操作方法が選べる。
車は小さな半径を旋回できるので、リビングのテーブルの上に障害物を置いて走らせて遊べる。京商によると、子どものころリモコンの無線操縦に慣れ親しんだ団塊ジュニア世代の男性が多く購入していくという。
いずれのおもちゃも端末に専用アプリをインストールする。iPhoneのみで動作するものがあるので購入する前には注意が必要だ。
(電子整理部 鈴木洋介)
[日本経済新聞夕刊2013年11月28日付]
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