ボードゲーム・ヘリコプター… スマホ連動のおもちゃ続々
クリスマスや年末年始は家族や知人らと過ごす時間が増える。そんな時に重宝しそうなのが、スマートフォン(スマホ)を使って大人数で遊べるおもちゃだ。ボードゲームなど昔懐かしい遊びにスマホの技術を活用したタイプも多く、子供だけでなく親も十分楽しめる。家族のつながりを強くする道具として役立ちそうだ。
「子供のころに遊んだ懐かしさもあって面白い」。都内に住む会社員の平尾純さん(38)は12月初旬の休日、子供たちと一緒にボードゲーム「絶叫!おばけ屋敷ゲーム」を楽しんだ。
悲鳴を模した音も
1980年発売の人気ボードゲームにスマホの要素を取り入れた最新作だ。アプリをダウンロードしたスマホを盤上に置いて遊ぶ。すごろくの要領でコマを進めていき、マスに止まるたびにスマホに出てくるおばけを倒しながらゴールを目指す。
イベントマスに止まると、スマホの画面をタッチ。幽霊の映像や悲鳴を模した音が出て恐怖心を誘う。「初めて遊んだ日の夜は、子供が怖がって寝付けなかったほど」(平尾さん)。遊んでいると急に不気味な笑い声が聞こえるなど、不意を突く演出もゲームを盛り上げる。
平尾さん宅にはテレビゲームもあるが、子供たちだけで遊ぶことが多いという。おばけ屋敷ゲームはスマホがないと遊べないため、親子で遊ぶ機会が自然に増えたという。「慣れ親しんだボードゲーム仕立てなので大人も楽しめる」(平尾さん)
7月の発売後、アプリを2回アップデートした。炎をまとった怪物など、冬向けに温かみを感じる要素を追加したという。買った後もゲームの内容を適宜更新し、利用者が飽きにくいようにする点も、スマホを使ったおもちゃの特徴の一つだ。
玩具メーカーのウィズはスマホを使って遊ぶおもちゃ「アプリズム」シリーズを11月末時点で10商品そろえている。野球ゲーム「アプベースボール」は野球盤の形をしたおもちゃにスマホをセットして遊ぶ対戦ゲーム。攻守に分かれて遊ぶ。
守備側が球種を選ぶと画面上の投手がボールを投げる。攻撃側はおもちゃについているバットをタイミング良く振ってボールを打ち返す。バットを振るタイミングや速度をスマホが読み取って、アウトやセーフを判定する仕組みだ。
千葉県八千代市の会社員の扇原奈津子さん(39)は夕食後、9歳の息子と対戦するのが日課になった。野球のルールに詳しくなくても、タイミングを合わせるだけで直感的に遊べる。
光の軌跡を絵に
タカラトミーアーツが11月に発売した「夜空におえかき」は、懐中電灯などを動かして空中に光で絵を描く「ペンライトアート」を楽しめる。付属のペンライトで好きな色を点滅させたり、全27色を順に光らせたりして空中を動かす。その様子を専用アプリをダウンロードしたスマホで撮影すると光の軌跡を絵にできる。撮影した画像はスマホから交流サイト(SNS)に投稿したり、メールで知人に送ったりすることができる。
千葉県松戸市の主婦、深尾敬子さん(36)は「絵を描くのが大好き」という6歳の娘のために夜空におえかきを買ったが、娘と一緒に空中に文字や絵を描きながら自分も結構楽しんでいる様子だ。撮影した写真も「メールで知人らに手軽に送ることができて便利」と話す。
子供がこうしたおもちゃで遊ぶには親のスマホが必要。昔ながらの要素を取り入れた商品が多く、親も懐かしさを感じながら楽しみやすい。世代に関係なく一緒に遊べ、親子の会話も自然に弾む。寒さが厳しくなるなか、1つの部屋に集まりゲームを楽しめば心も温かくなりそうだ。
(消費産業部 柴田聖也)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。