ランナー膝・テニス肘… スポーツ障害どう防ぐ

ランニング、登山、テニス、ゴルフ。健康のためにスポーツを楽しむ中高年が増えているが、張り切りすぎにはご用心。一般の人にも起こりやすいスポーツ障害を予防し、いくつになってもスポーツを楽しむための方法を専門家に聞いた。

散歩には肌寒い日が続く11月は、ランニングには絶好の季節だ。運動不足解消のためにと走りはじめた人が、ランニングの楽しさに目覚め、やがて各地で開催される競技会に挑戦するケースもあるだろう。

■運動し始め注意

ただ無理は禁物だ。あっぷる接骨院(横浜市)院長の秋山聡志さんは「毎年2~3月に開催される東京マラソンが近づくと、中高年を中心に脚のトラブルで来院する患者が増える」と話す。症状でもっとも多いのは膝関節の外側が痛む「ランナー膝」だ。スポーツ選手の場合、大腿骨(ふとももの骨)の外側にある靱帯と関節の骨が摩擦により炎症を起こす「腸けい靱帯炎」が主だ。それに対して運動不足の中高年の場合は、大腿の内側の筋肉の衰えにより膝のお皿の骨が外側にひっぱられ、大腿骨と擦れ合って炎症を起こし痛む例が多いという。

テニスやゴルフもトラブルは多い。慶応義塾大学スポーツ医学研究センター研究員の石橋秀幸さんは「クラブやラケットを使うスポーツの特徴は曲げていた腕を伸ばす瞬間にボールを打つこと。このときクラブやラケットで正確にボールを捉えないと、腕を伸ばす筋肉や腱(けん)に負担がかかりテニス肘など肘関節の障害をもたらす」と話す。

こうした身近なスポーツ障害を予防するにはどうしたらいいのだろうか。スポーツ障害の主な原因は、運動のしすぎ(オーバーユース)と柔軟性不足だが、中高年でより問題となるのは柔軟性の衰えだ。

帝京大学病院整形外科教授の中川匠さんは「若い選手の場合、激しい運動を続けることによっておこる疲労蓄積が障害の原因となるが、中高年の場合は運動を開始してすぐ起こるトラブルが多い」と話す。若い頃、本格的なスポーツをやっていて体力に自信がある人が、子供の運動会や地域のイベントで急にアキレス腱を断裂することもよくあるという。

まずは自分の体を過信せず、念入りな準備運動やストレッチをしよう。そして「あせらず、少しずつ」が中高年スポーツの基本だ。秋山さんは「ランニングの場合、必ず少しずつ距離を伸ばしていく。機会があれば、地域で開催されるランニングクリニックなどで走るフォームを点検すること」とアドバイスする。

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