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女性に多い味覚障害 原因はダイエット、ストレス… 高齢者にも増加 亜鉛含む食品で予防・改善

2013/11/15 日本経済新聞 夕刊

「食欲の秋」を満喫できる季節だが、最近では味覚に異変を訴える人が目立つ。「味がしない」「何を食べても同じ味がする」。特に女性や高齢者に多く、治療が必要な「味覚障害」の症状が進んでいる患者も少なくない。急激なダイエットや精神的なストレスなど原因は様々だ。子供に食べ物の味の大切さを教える「味覚教育」も学校現場に広がってきた。
甘い、酸っぱいなどの味覚を個別に体験する子どもたち(埼玉県春日部市の内牧小学校)

「何を食べても苦い味しかしなくなった」。大阪府豊中市の女性(51)は、振り返った。

味覚の異変を感じたのは3年前、4カ月に及んだダイエットで、約30キロの減量に成功した直後だった。女性は兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)の耳鼻咽喉科・味覚外来を受診。「甘い」「酸っぱい」などの味がする液体を染み込ませた紙を舌にのせる検査や心理テストなどを受けた結果、「味覚障害」と診断された。急激なダイエットで食事が偏り、味覚の働きを助ける亜鉛が不足していることが判明。亜鉛が含まれる薬の服用などの治療を続けた結果、約4カ月で治った。

■生活習慣も影響

兵庫県尼崎市に住む女性(50)は今年4月、作ったシチューの味がしなくなったことで症状に気づいた。父(87)の介護に追われ、精神的、身体的な疲れが原因だった。大阪市の女性(40)の場合、飲食店の深夜勤務の結果、睡眠時間が1日3時間にまで減少。みそ汁の味などが薄く感じるようになった。2人は同病院で亜鉛の薬を服用しながら、生活習慣を改善することで回復した。

同病院の味覚外来には年間150~200人程度の患者が訪れる。その多くが女性。同院の任智美医師(36)は「最近は仕事や家庭でのストレスが原因となるケースが増えている」と話す。

日本大学板橋病院(東京・板橋)でも味覚外来を受診した患者408人のうち、男性180人に対し、女性は228人に上った。日本口腔(こうくう)・咽頭科学会(東京)の池田稔理事は「料理を作るなど自身の味覚を意識する機会が女性の方が男性より多いことが一因」と分析する。

厚生労働省によると、味が感じにくい「味覚減退」のほか、口の中に何もないのに特定の味がする「自発性異常味覚」、全く味がしない「無味症」などが味覚障害の主な症状だ。原因は、味覚の働きを支える亜鉛の欠乏や、亜鉛の吸収を抑える薬の服用、病気の症状によるものなどが挙げられる。症状に応じて亜鉛を含んだ薬の投与や、特定薬剤の服用中止という治療が一般的だ。

1日に日本人に平均的に必要とされる亜鉛量は、例えば30~49歳では女性8ミリグラム、男性10ミリグラム。11年の厚労省の調査では、30代の女性は平均6.9ミリグラム、男性は同8.8ミリグラムでいずれも必要量を満たしていない。池田理事は「日本食は総じて亜鉛の含有量が低いことが影響している」と分析。亜鉛を多く含んだ食品の摂取が味覚障害に陥るのを防ぐという。

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