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鳥インフル警戒の秋 H7N9型、活発化の可能性 こまめな消毒、習慣に

2013/9/21 日本経済新聞 夕刊

 今春に中国で人への感染が相次いだ鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)が再び注視されている。ただちに危険はないが、一般にインフルエンザウイルスは夏に活動が低下し、秋以降に活発化する傾向がある。専門家は感染がまた発生する可能性が残っているとみて警戒している。
H7N9型鳥インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 厚生労働省は9月2日、H7N9型のワクチンを開発する方針を決めた。人から人へ容易に感染が広がる新型インフルエンザに変化したわけではないが、万一に備えて開発を進めておく。

 ワクチンのもとになる2種類のウイルス株を検討し、試験用のワクチンを製造する。実際に人にワクチンを接種するにはその前に臨床試験をする必要があるが、当面は動物実験まで取り組む予定。

■台湾でも患者確認

 H7N9型は中国が今年3月に人への感染例を発表、その後も相次ぎ患者が見つかった。発生地域も順次拡大、台湾でも患者が確認された。鳥インフルエンザは水鳥やニワトリなどが感染し、本来は人に感染しにくいが、今回は従来よりも人にある程度感染する新種が登場した。

 もしもさらに変化が進んで人間同士で簡単に感染するようになると呼び方が新型インフルエンザになる。H7N9型はそこまでいっていないが、人への感染が広がるうちに変化が進む可能性があり、警戒された。毎年冬に流行する季節性インフルエンザと違い、新型は多くの人が過去にかかったことがなく免疫の抗体を持たないため、重症になる恐れがあると考えられている。

 中国では感染ルートの可能性があった生きた鳥の市場での販売禁止など対策を進めたところ、感染者が減少し、5月には各地で警戒態勢が解除された。

 世界保健機関(WHO)のまとめではこれまでのH7N9型の患者数は135人、死者は44人だが、6月以降は7月の感染者2人だけだ。

 ただ、専門家の間では春の段階からすでに、秋以降も油断せずに要注意という見方が出ていた。インフルエンザウイルスは一般に夏の暑い時期にはおとなしくなるが、秋から冬にかけて活発になる可能性があるからだ。

 再び感染が起きるかどうかは「9~10月の状況をみてみないとわからない」と厚労省の新型インフルエンザ専門家会議の議長を務める川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長も指摘する。

 寒い季節を迎えることのほか、2人と少ないとはいえ7月にも患者が発生したこと、大元の感染源の動物がまだ不明なこと、感染しても症状が現れないタイプの人がウイルスを持っている可能性があることも警戒の材料。冷静に忘れずに「焦ることなく、きちんと見ていく」ことが大事だという。

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