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 コミュニケーションのなかでも「聞く技術」はとても重要だ。聞き方一つで相手との人間関係が変わり、ビジネスの成果を左右するほどの威力がある。受け身ととらえて軽視すると、うまく意思疎通ができなくなる。「聞く技術」の極意を専門家に聞いた。

「聞く」には大きく2パターンがある。「相手の側に何か話したいことがあり、それを自分が受け止める」「自分の側に何か要望があり、それを相手にうかがう」場合だ。まず前者から紹介しよう。

聞く技術「傾聴」の考え方を広めるアクティヴリッスン(東京都港区)代表で心理カウンセラーの澤村直樹さんは、本音を聞くには「問うに落ちずに語るに落ちる」と教える。「人は質問されてもなかなか本音を明かさないが、自由に話をさせると自然に出てくる」。まず前提として、信頼関係がないと語れない。

信頼関係を築くには聞き手に徹し、相手が話したいことを存分に話し切ってもらうことが大切だ。その際、注意点が3つあるという。(1)相手の話をさえぎらない(2)聞き手の側で聞きたい話題と聞きたくない話題をえり好みしない(3)話し手が求めていないアドバイスや情報を与えない――。

「これをすると、話し手は自分が尊重されていないように感じてしまう」。人は誰でも自分を語り、認められたい「承認欲求」があるという前提に立つことが大事だ。

相手が意見を求めてきても「すでに相手の中に答えがある場合も多い」と澤村さん。そんな場合は「伝え返し」という方法が有効。「君はどう思うの?」と聞き返すのだ。

相づちも重要。「話し手は不安なもの。相づちを打たないのは態度保留か攻撃と受け取られる。少々やりすぎと思えるくらい打とう」。相づちには主に「はい」系と「そう」系がある。「そう」系の方が話し手を受け入れているサインになるという。

「こうした傾聴スキルで相手と信頼関係を築き、安心感を与えれば、質問しなくても本音を話してくれるようになる」と澤村さんは語る。

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