スマホでいつでも英語学習 映画・ニュース・辞書…
急速に普及するスマートフォン(スマホ)を使って英語を学ぶ人が増えてきた。字幕付きの映画を見ながら聞き取りをしたり、発音をチェックしたりするなど使い方はさまざまだ。重い辞書やテキストを持ち歩くこともなく、いつでもどこでも聞く、読む、話す、書くの4分野を手軽に鍛えることができる。
まず手軽に無料で楽しめるのが聞き取りの練習だ。音声配信サービスの「ポッドキャスト」を使うと、米CNNやABCなど海外メディアが配信するニュースを保存して聞くことができる。海外の話ではなく日本のニュースを英語で聞きたいという人には、NHKが配信する英語ニュースがお薦めだ。
人工知能と会話
映画が好きな人には専用の学習アプリもある。「超字幕」は日英の字幕を併記した約200本の映画を有料でダウンロードできる。作品紹介には使われている英語のレベルや、「日常会話が中心」「ビジネス英語が多い」などの特徴も書いてある。通常価格は1本あたり1000円以上と高価だが、本当に好きな映画なら楽しんで学習を進められるだろう。
読む能力を高めるには語彙を増やして、英文をたくさん読むことが必要だ。単語力を付けるうえでお薦めなのは辞書アプリ。1000円を超える高価なものも多いが、単語帳機能を使えば登録した単語をいつでも確認して復習することができる。単語を音声で読み上げてくれる機能が付いたものも多く、文字と音の両方から覚えることができる。ゲーム感覚で単語を覚えるアプリもあるので、自分に合うものを探してみよう。
英文をたくさん読むには関心のあるニュースサイトが手軽だ。また米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」を持っていれば、スマホにもキンドルのアプリを入れて読んでみよう。同じアカウントで登録すれば、購入した洋書をキンドル端末とスマホで共有できるうえ、しおりの位置も合わせることができる。
最近のスマホは話す練習もできる。「Marry me!(僕と結婚して!)」。電話に向かって話しかけると、「Let's just be friends(友達でいましょ)」と女性の声が返ってきた。米アップルのiPhone(アイフォーン)に搭載された人工知能を使った音声ガイド機能「Siri(シリ)」だ。
通常は日本語版になっているが、設定画面で言語を選べば英語で会話を交わせる。ちょっとした暇つぶしにもなるし、「明日の天気は?」「今ニューヨークは何時?」といった質問にも答えてくれる。
使っているスマホがiPhoneでなくても、検索大手グーグルのアプリの音声検索で発音チェックが可能だ。設定で使用言語を英語にしたうえで、発音があやふやな言葉をふき込み正しく認識されるか確認してみよう。色々な単語を試せばどういう発音が苦手なのかもわかってくる。
アプリ買いすぎ注意
書く能力もスマホで鍛えてみよう。ミニブログのツイッターは英語でも書ける。英語で日記を付けようとして挫折した人でも140字以内なら軽い気持ちで取り組めるだろう。知り合いに英語のネーティブがいれば、ときどき文章をチェックしてもらおう。
最近では昇進の条件に英語能力テスト「TOEIC」の点数を求める会社も増えている。出版社などが作成するアプリだけでなく実施団体が出している公式アプリもあるので、試験対策が目的の人は一度試してみよう。
スマホのアプリは使うのも手軽だが、買うときも操作一つですぐに手に入る。クレジットカード払いだからと次から次へと有料アプリを買っていると、後でカードの請求書を見て青ざめることになりかねない。これと決めた教材を徹底して使うのが、最も効果的で経済的な方法だ。
(経済部 山崎純)
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