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冬の熱い風呂に注意 5つの工夫で血圧急変動防ぐ

2012/11/13 日本経済新聞 朝刊

寒くなると、湯船が恋しくなる。しかし、冬は疲れを癒やすはずの入浴で亡くなったり、意識を失って救急車で運ばれたりする人が多い。日本人の風呂の入り方は血圧が乱高下しやすく、心臓に負担がかかるからだ。浴室を暖めてぬるめの湯にし、長湯を避けるなどの工夫を心がけたい。

心筋梗塞など招く

寒い脱衣場で服を脱ぎ、震えながらさっと湯をかぶり熱い湯船にザブン――。こうした入り方は危険なパターンだ。心筋梗塞や脳卒中を招く恐れがある。冬場の入浴はジェットコースターのように血圧が変動するからだ。

「熱い湯につかるのが日本文化」といわれるが、体への負担を考えると冬場は避けた方がよい。日本の家屋は場所によって寒暖の差が大きい。リビングから冷え切った脱衣場に入ると、血管が収縮して血圧が上昇。湯船に飛び込めば、瞬間的にさらに上がる。時間がたてば血管が広がって降下。湯から上がって脱衣所に戻れば、再び上昇する。

血圧の乱高下は重大な病気や事故につながりやすい。まず、湯につかった瞬間の血圧の急上昇で脳内出血などが起きる恐れがある。入浴中は水圧で体が締め付けられた状態にあり、血圧が上がる。寝そべって湯につかる欧米の浅い浴槽と違い、日本の場合は深い湯船に首までつかるため、血圧が上がりやすい。

いきなり立ち上がると血圧が急下降し、ふらついて転倒することもある。湯船につかって血圧が下がったときも、意識障害を起こして溺れる危険がある。

浴槽から出てしばらくすると血液の塊(血栓)が血管に詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などが起きることがある。動脈硬化などが進んだ高齢者は血管がもろくなっているため要注意だ。入浴中の死亡事故の大半を高齢者が占めるとの調査結果もある。入浴時は家族がときどき声をかけるなどで注意を払おう。普段から血圧が高めの人や、心臓病や脳梗塞を患ったことがある人は、熱い湯船で首までつかるのは避けた方がよい。

複数の専門家によると、温度がセ氏42度以上の熱めの風呂を好む人はリスク(危険性)が高いという。「42度を超えると血液の粘度が上がって血栓ができやすくなる」と、大東文化大学准教授で医師の早坂信哉氏は指摘する。これぐらい熱いと交感神経が刺激されて興奮状態になり、リラックスする効果も得にくい。

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