体にも「Tゾーン」あり 皮脂、汗をきれいに落とす入浴法

体の洗い方には様々なコツや注意点のほか、見落としがちな盲点がある。ポイントを知れば、肌をより清潔に保ち、たまった疲れも解消できる。専門家に上手な洗い方について聞いた。

特に汚れのたまりやすい部位が顔や体のTゾーン。顔のTゾーンとは額や頭と鼻筋の周辺のこと。皮脂腺や汗腺が多く、皮脂や汗などにほこりや汚れが付きやすい。毛穴などが汚れで詰まればニキビができるなど肌のトラブルになる恐れがあるので注意が必要だ。

嫌な体臭の原因

あまり知られていないが、体にも汚れがたまりやすいTゾーンがある。体の前面だと首、ワキ、胸、腹、下腹部、背面だと首、ワキ、背骨の周辺などをつないだ部分だ。この部分は体の中でも皮脂や汗の分泌が多いので、毛穴などが詰まりやすくなるという。

「汚れたままで放置しておけば細菌が繁殖し、嫌な体臭の原因になる」。花王香料開発研究所の矢吹雅之主任研究員はこう指摘する。特に背中は自分では洗いにくく、汚れがたまる盲点になりがちだという。

皮脂腺は、頭など体の上部になるほど密度が高い傾向がある。花王によると、1平方センチメートルあたりの皮脂腺数の平均は、かかとや手のひらがゼロなのに対して、腹、背中、ほお、額、頭と上に行くに従って多くなる。例えば、皮脂腺数はほおでは背中の約2倍、頭ではほおの約3倍に達する。

洗う順序は「上から下」が原則だ。まずシャンプーなどで頭を洗い、それからせっけんなどで顔、首、胸や背中、腹、下腹部という順番で洗うのがコツ。なぜなら、汚れはシャンプーやせっけんとともに下へ流れるので「上から下」への順序で洗う方が、できるだけ汚れを残さずに効率的に洗えるからだ。

そもそも人間の肌は約4週間、28日周期で生まれかわる。角質層からはがれた角片がアカ(頭の地肌ではフケ)。これらを皮脂や汗、ほこりなどと一緒に入浴時に洗い流すことが、肌の健康には欠かせない。