ネギ、ショウガ、青ジソ…薬味の効能知って夏バテ回避

夏は冷たい麺に、冬は温かい鍋に欠かせないのがネギやショウガなどの薬味だ。料理に添えると香りや彩りが加わり食欲をそそる効果があるが、栄養成分などに体を温める、消化を助けるといった様々な効用もある。薬味をうまく取り入れて、夏バテを回避できる体づくりに役立てたい。

そもそも、なぜ薬味と呼ぶのか。食材に詳しい鎌倉女子大学名誉教授で医学博士でもある成瀬宇平さんは「薬の効能とうまみを引き出す効能が期待されることから、薬味の名前が生まれた」と話す。

■タデは臭み消し

日本では昔から、魚の臭みを消す目的で使われてきたという。例えば、平安時代の辞書「倭名類聚抄」に記述が残るのはことわざ「タデ食う虫も好き好き」のタデ。独特の香りや辛みが特徴だ。現在も葉をすりつぶして酢でのばしたタデ酢はアユの塩焼きを食べるときに使われる。タデの酸性のビタミンCが、アルカリ性の魚の臭み成分を中和することを、昔の人は経験上知っていたとみられる。

その後研究が進み、古くからある薬味の効用が科学的にも分かってきた。

代表はポカポカと体を温めるショウガ。冬は特に人気を集める。さわやかな香り成分のジンギベレンは冷え性改善が期待できるうえ、ぴりっとした刺激的な辛みのジンゲロンとショウガオールには新陳代謝を促進したり、発汗作用を高めたりする働きがある。

薬味に共通する栄養成分もある。例えばアリイン。ネギやニンニクの香り、辛みのもとになる成分で、包丁で切断すると酵素などの働きにより刺激臭のあるアリシンになる。アリシンは体内でビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝を活発にする。「ネギはニンニクほど刺激が強くはないので、生のまま細かく刻み、麺や鍋の付け汁に入れるなど使いやすい」(成瀬さん)

ワサビは新緑のようなさわやかな香りを添え、脂ののった刺し身でも独特の辛みでさっぱりと食べやすくするが、それ以外にもワサビをすり下ろすことで生じる辛み成分に食欲増進効果がある。ただ「刺激が強いので胃潰瘍や十二指腸潰瘍があるときは摂取を控えるほうがいい」(成瀬さん)。

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