情報が広がる範囲に注意

利用する際は注意しなければならない点も多い。仲間うちだけと思ってこっそり誰かの悪口を書き込むと、仲間を通して本人に伝わってしまうことがある。酒の勢いでちょっと上司の悪口を言っただけなのに、次の日上司に話が漏れていた、というケースもある。友達の友達が上司につながっていたのだ。

気心が知れた仲間といつでもつながることができて楽しい半面、いくら仲がよくてもどこまで話していいか、情報が広がる範囲に配慮する必要がある。

SNSでは「友達の友達を自分の友達にする」という仕組みで気安く仲間が増やせる。でも安易に増やすと、思わぬことにもなりかねない。

例えば、ある日見知らぬ人から、最寄りの駅で名前を呼びかけられて驚いたという人がいる。近所のお気に入りの店や通勤風景を発信していたら、その情報から本人が判別できたらしい。ストーカーだったら怖い話だ。

疑う心も大切に

見知らぬ人はトラブルのタネになりやすい。すてきな印象の写真付きで「友達にしてください」という申し込みが来て、見た目の印象だけで「友達」として認めたら、利用価値があるかどうかわからない商品を勧められることもある。SNSで商品を売り込む業者も増えている。交友関係を広げるときは「この人は信頼できるか」と疑う心も大切にしよう。

頻繁にSNSをチェックしている人もいる。家庭でも妻がSNSに夢中になって夫と疎遠になったり、夫がSNSに夢中で家事や育児を妻に押しつけたままだったりという話も聞く。現実の人間関係よりもSNSの人間関係が大切に思えたら、現実の生活に赤信号がともっていると考えたほうがいい。

職務上の秘密をSNSに漏らす例も出てきている。芸能プロダクションからのスカウトと称して、10代の子どもを犯罪に巻き込む事件もある。

問題点もきちんと把握しながら、SNSを上手に使いこなしたい。

(テクニカルライター 佐藤信正)

[日経プラスワン2012年8月4日付]