休養するより運動を
「疲れたときこそ、軽く体を動かした方が良い」と指摘するのは、国際武道大学でコンディショニング科学を担当する山本利春教授。ジョギングなどの有酸素運動で血液循環が良くなり、疲労の原因物質とされる血中の乳酸が筋肉や肝臓などでより効率的に処理されるようになるという。運動の強度が低ければ新たな乳酸の発生も少なく、動かずに休養するより疲労が取れやすいという理屈だ。
具体的な有酸素運動のメニューについて山本教授は「足腰の状態に応じてジョギング、サイクリング、スイミングを使い分けるのが有効」と説く。
ジョギングは着地時に全体重が片足にかかるため足腰への負担が最も大きい。サイクリングはサドルに体重を預けるためジョギングほどは足腰への負担は大きくない。体が浮力に支えられるスイミングは最も負担が小さい。「足腰の調子が良いからジョギング」「膝が痛いときはスイミング」といったように、これら3つのメニューを使い分けると良い。
強度はあくまで「八分目」
次に運動の強度。あくまで「八分目」で頑張りすぎないのがコツだ。
ジョギングならば走りながら会話ができるスピードで、軽く汗ばむくらいが良い。心拍数は毎分120~130程度で、時間は20~30分が最適。サイクリングでも軽く風を切る程度のスピードで、ペダルを踏む脚に軽い張りを感じられるくらいが適切。乗るのは本格的なロードタイプの自転車でなく、いわゆる普段使いの「ママチャリ」で十分だ。スイミングでも平泳ぎやクロールでゆっくり泳ぐのが良い。水中を歩くだけでも十分効果はあるという。
有酸素運動で体が温まった後は、ストレッチで凝った筋肉を伸ばすとアクティブレストの効果はさらに高まる。脚や肩、腰など連休で特に疲れた部位を集中的にストレッチすると良い。ハイキングなどで歩きつかれた場合は、太ももやふくらはぎを中心に伸ばそう。痛みを感じない強さで、筋肉が心地よく伸びていることを実感できる程度に実施するのが良い。