ヘルスUP

健康づくり

目覚めスッキリ 惰眠を快眠に変えるコツ

2012/4/13 日本経済新聞 プラスワン

 「春眠暁を覚えず」というように、春の眠りは心地よい。朝になっても布団から出るのがおっくうになる。記者(31)は子どもの頃から朝が苦手。気持ちよく寝て、目覚めもスッキリな快眠法はないか。睡眠のプロにアドバイスを聞いて試してみた。

 不規則な生活を送る記者は、8時間以上寝ても朝に眠気が取れないことがある半面、短くても爽快な日もある。この違いはどうして生まれるのだろう。

脳休めるには、ノンレム睡眠

 「睡眠は量と質の両方に左右されます」。スリープクリニック調布(東京都調布市)の睡眠の専門医、遠藤拓郎さんはこう話す。長く寝たから良いという訳ではないらしい。3時間以下の睡眠だと健康に悪い影響を及ぼすが、4時間半ほどでも質の高い睡眠が得られれば、ある程度疲れは取れるという。

 寝ている間は、体を休める浅い眠り「レム睡眠」と、脳を休める深い眠り「ノンレム睡眠」がおよそ90分周期で繰り返す。「眠り始めの3時間、ストンと深い眠りに落ちる。朝方になると眠りが浅くなって目が覚める」。このサイクルできちんと寝られれば、快適な睡眠につながる。

 「普段の夜の過ごし方はどれだけ睡眠を阻害しているのかな……」。そう思い、タニタ(東京都板橋区)の眠りの状態を測る機器「スリープスキャン」を借りた。マットを布団に敷き、呼吸、脈拍、振動などを感知して睡眠の状態をグラフで示す。線が下にあるときは深い睡眠、上にあれば浅い睡眠だ。ほぼ同じ時間に寝起きする生活をしながら計測してみた。

 3月のある晩、社内の送別会に2次会まで参加した。午前0時近くになったころ豚骨ラーメンに煮卵をトッピングして食べる。こってりしたスープが酒に酔った体に染みておいしい。

 帰宅後、膨らんだおなかをさすりながら寝る。翌朝、測ったグラフを見ると眠り始めの睡眠が浅い。目覚めた瞬間、ラーメンの胃もたれが不快だった。

 睡眠について研究するタニタ開発部の佐々木敏昭さんは「満腹で寝ると体に負担がかかり、睡眠が浅くなる。寝る2~3時間前までには腹八分目で食べるのをやめた方がいい」と話す。

 普段の生活のなかで、記者は深夜までパソコンやテレビの前にいることが多い。次の実験として、寝る直前までネットを楽しんだ。布団に入った後も、まぶたを閉じているはずなのに光を感じ、全く眠気がしない。40分ほど布団の上でごろごろし、やっと眠りにつくことができた。グラフを見ると、寝ていた時間の中ほどまで深い眠りがなく、理想とはほど遠い。

 遠藤さんに理由を聞くと「夜にまぶしい光を長時間見ると、睡眠を促すメラトニンというホルモンが減ってしまう」と注意された。なるべく寝る前は明るいテレビなどの画面を見ないようにして、部屋の明かりも間接照明にするのがよい。

 寝酒もあまりおすすめできない。交感神経が刺激されて眠りが浅くなるという。実際、記者が寝る直前まで飲酒した日のグラフを見ると、寝てから数時間後の眠りが浅い。アルコールの分解能力は人によって違うが「なるべく少量にした方がいい」(タニタの佐々木さん)という。

ヘルスUP新着記事

ALL CHANNEL