顔の上半分、頬骨から上の静脈の余分な水分は、耳珠を目標ポイントにして押し流す。顔の下半分は耳垂を目指す。マンディブラーノッチは下顎切痕(かがくせっこん)といい、顔面静脈の通り道。首に流れる太い静脈に流す。

静脈マッサージは上から下へ、心臓に向かって気持ちよい強さで流す。各ライン1回ずつを1セットとして3セット行い、肌の手入れをするときに手持ちの美容液やクリームなどをつけて指滑りがいい状態でマッサージするのをすすめる。「血行がよくなるとくすみなどの肌のトラブルも改善しやすい」(津田医師)

もっとも肌はデリケート。摩擦による刺激で傷つけてしまうこともある。回数に制限はないが、はりきり過ぎには注意したい。

一方で、むくみは身体の不調を知らせてくれるサインでもある。食生活に起因するのは水分の過剰や不足、塩分の取りすぎ、利尿を促す酒の飲み過ぎ。睡眠不足や疲労の蓄積、運動不足や冷えによる血行不良、温度差による自律神経の乱れ、ストレス、長時間同じ姿勢をとり続けるデスクワークなど、原因が重複している場合も少なくない。

女性は月経前も

女性は月経前症候群(PMS)が原因の場合もあるほか、筋肉量が少なく、体脂肪量が多いために、むくみやすい。一過性なら、その日のうちに改善する。階段の上り下りなどの全身運動で筋肉の収縮を促し、血行をよくして様子を見よう。

ただ、思い当たる理由がなく、生活を見直しても改善の兆しがない場合は注意が必要だ。「心臓疾患や高血圧、腎臓病、甲状腺の機能低下症が疑われる場合がある」と虎の門病院(東京都港区)内分泌代謝科の宮川めぐみ医長は話す。「顔のむくみが数日間続き、足のすねを親指で強く押してみて、へこみが残る場合は心不全などの全身性浮腫が考えられる」。そんな時は、医師や病院に相談することも考えよう。

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食生活の見直しも大切

朝、一時的なむくみを解消したいなら、尿や汗を出しやすくし、温かい食事を取り、身体の中から温めるとよい。具体的には利尿効果のあるお茶やコーヒーを飲んだり、朝食で卵やハムなどたんぱく質を取ったりする。

普段の食生活を見直すならば、水分をためないように塩分を制限しながらカリウム摂取を心がけること。カリウムは野菜や果物、海藻に多く含まれる。同時に、十分な水分補給で体内の水分バランスを適正に保つ。一日1~1.2リットルが目安だ。

管理栄養士の馬場真佐美さんは「食事だけでなく、適度な運動で筋肉を使い、代謝のよい体質になるように心がけて」とアドバイスする。

(畑中麻里)

[日経プラスワン2012年3月3日付]

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