ビール通が選んだビール風味飲料何でもランキング味わい進化、低カロリー

2010/8/21

何でもランキング

売れ行きが伸び、新製品の発売が相次いでいるビール風味飲料。専門家が試飲し、おすすめを選んだ。ビール好きだけに、一般の販売動向などとは大きく異なる順位になった。

1
820ポイント
アルコール度数0.5%未満
レーベンブロイ アルコールフリー(独)
ドイツからアサヒビールが輸入。2003年発売。本場ミュンヘンで造られるビールの製法を生かしたコクのある味わいが特徴。ドイツビールの伝統的製法に基づき、原材料に使用するのは麦芽とホップのみ。麦芽の味とホップの苦みのバランスが良く、かなりビールに近いしっかりした飲み応え。味の濃い食事と一緒に飲んでも、存在感がある。
「後からくる苦みが適度で食事にも合わせやすい」(木越敦子さん)、「ホップと麦が香り、しっかりした苦みも」(小畑昌司さん)
(1)発酵抑制(2)麦芽、ホップ(3)28キロカロリー(4)330ミリリットル148~189円
2
660ポイント
約0.5%
バクラー(オランダ)
キリンビールがオランダのハイネケンから輸入する。ビールと同じ製法と原材料で仕込み、ビールに近い味わいを再現した。ビールらしさをしっかり残す一方で、軽いのど越しと苦みも特徴的で、食事やスポーツなど、使用する場面を選ばずに飲みやすい。欧州の雰囲気を伝える瓶のデザインと本格的な味わいから、1990年に国内で発売されて以来、根強い人気がある。
「すっきりごくごく飲める」(木越さん)、「後味すっきり、控えめな香りも自然。きめ細やかな泡もおいしい」(友田晶子さん)、「バランスが良い」(小田良司さん)
(1)発酵抑制(2)麦芽、ホップ(3)20キロカロリー(4)330ミリリットル173~231円
3
610ポイント
0.00%
サントリー オールフリー
10年8月3日発売。アルコール、カロリー、糖質と3つのゼロを世界で初めて実現した。麦芽を天然水で仕込み、渋み成分の少ない一番麦汁のみを使うことですっきりとしたおいしさを目指した。生産が追いつかないため現在販売を休止中で、9月上旬に販売再開する見込み。
「苦みと後味がビールらしい。フルーツのような味わいも感じる」(園田智子さん)、「ビールとしても飲料としてもおいしい。食事にも合わせやすい」(エディ中村さん)
(1)非発酵(2)麦芽、ホップ、酸味料、香料、カラメル色素、酸化防止剤、甘味料(3)0キロカロリー(4)350ミリリットル121~145円
4
560ポイント
約0.4%
クラウスターラー(独)
ドイツメーカーが造る同国でよく売れているビール風味飲料。ビールと同じ原料と製法で、苦みの残る本物らしい味わい。「ホップの香りと苦みがちゃんとある」(江口まゆみさん)、「香り、苦みともビールらしさを感じる」(木内洋一さん)(1)発酵抑制(2)麦芽、ホップ(3)26キロカロリー(4)330ミリリットル141~158円
5
545ポイント
0.00%
キリン 休む日のAlc.0.00%
10年4月発売。麦芽や麦芽エキスなどで飲み応えとコクを出した。肝臓の働きを助けるアミノ酸、オルニチン配合。「かなりビールに近い」(江口さん)、「まず酸味が主張するが、後に残る甘みが心地いい」(木内さん)(1)非発酵(2)麦芽、オルニチン、ホップ、麦芽エキス、酸味料、香料、調味料、酸化防止剤、甘味料(3)18キロカロリー(4)350ミリリットル120~145円
6
430ポイント
0.1%未満
アサヒ ポイントワン
03年発売。発酵させて造り、ビールの香りとコクがある。アミノ酸の一種グリシンを使い、適度な甘みも。のど越しスムーズで汗をかいた後などにすっきり飲める。「日本料理に合う」(藤原浩さん)、「強い酸味が特徴的。苦みも感じる」(樋口昇さん)(1)発酵抑制(2)麦芽、スターチ、ホップ、酸味料、アミノ酸(3)19キロカロリー(4)350ミリリットル126~151円
7
370ポイント
0.9%以下
ブローリープレミアムラガー(豪)
オーストラリアから輸入。国内では86年発売のビール風味飲料の古株。麦芽とホップのみ使い、ビールと同じ製法で造る。色が濃く、しっかりとした味わい。「少し焦がしたような麦芽の味わい」(佐藤裕介さん)、「軽めのボディーだが、苦みは感じる」(小畑さん)(1)発酵抑制(2)麦芽、ホップ(3)16キロカロリー(4)355ミリリットル79~138円
8
265ポイント
0.00%
キリン フリー
09年4月発売。09年の販売量は、当初の販売目標の63万ケースを大幅に上回る400万ケースを記録する大ヒット商品になった。柔らかな飲み応えとさわやかなのど越しが特徴で、すっきりとした後味。「酸味とさわやかな苦みが印象的」(江口さん) (1)非発酵(2)麦芽、食物繊維、果糖ぶどう糖液糖、ホップ、酸味料、香料、調味料、酸化防止剤、苦味料、甘味料(3)16キロカロリー(4)350ミリリットル135~148円
9
260ポイント
0.00%
サッポロ スーパークリア
02年にアルコール度数0.5%飲料として発売したが、09年に0%に刷新。麦芽エキスを使った雑味のない、すっきりとした味わい。糖質とカロリーを抑え、健康志向にも対応。ビールの苦みなどは弱いが、酸味あるさっぱりとした後味。「果物を感じさせる味わい」(園田さん)(1)非発酵(2)水溶性食物繊維、糖類、麦芽エキス、大豆ペプチド、酸味料、香料、カラメル色素、酸化防止剤(3)8キロカロリー(4)350ミリリットル129~134円
10
250ポイント
0.0%
アインベッカー(独)
ドイツのメーカーが生産。ビールらしい味に近づけるため、等級の高い麦を使い、通常のビールの製法で造った後、アルコールを取り除いた。プリン体がゼロで、低カロリー。苦み、香りとも弱めでくせがなく、すっきりしたのど越し。「苦みがクリアで、スポーツの後に飲むのに向く」(田村功さん) (1)アルコール除去(2)麦芽、ホップ(3)10キロカロリー(4)330ミリリットル195~360円

ビール風味飲料はアルコール度数1%未満で酒税法上は酒に分類されず、清涼飲料水として扱われる。以前は「ノンアルコールビール」などと表示されていた。ただ、微量とはいえアルコールを含む商品も多いため、公正取引委員会が2003年に表示の適正化を求め、「ビールテイスト飲料」などの表示になった。

ブームの火付け役はキリンビールが09年4月に発売した「キリンフリー」。アルコール度数0%を実現。運転者や妊娠・授乳中の女性のほか、ビールに比べてカロリーが低く健康志向の人にも受けた。この分野では圧倒的なシェアがあり、好調な売れ行きを受け、同社は8月13日、今年の販売目標を年初の430万ケース(1ケース=大瓶20本換算)から510万ケースに引き上げた。

ビールは麦芽やホップなどを煮て作った麦汁に酵母を入れて発酵させて造る。一方、ビール風味飲料の製法は、ビール評論家の田村功さんによると(1)アルコール除去(2)発酵抑制(3)非発酵の3つに大別できる。

(1)はビールから特殊な装置でアルコール分だけを抜いて造る。(2)は通常より低温で発酵させるなどして酵母の活動を抑え低アルコールに仕上げる。(1)、(2)とも発酵過程があるため、ビールに近い味わいになるが、アルコールができてしまい「技術的に完全になくすのは難しい」(田村さん)。

(3)は麦汁や麦芽エキスに糖類や香料などを加え、ビールに近い味に仕上げる。(3)は国内大手が採用しており、香料技術の進歩などで、より本物に近い味わいを出せるようになった。専門家からは「コクや苦みなどはビールとは差があるものの、数年前と比べるとかなりビールらしくなった」といった声が多かった。

アルコール微量でも「飲酒」に注意

ビール風味飲料が「清涼飲料水」なのはあくまで税法上の扱い。アルコールがゼロでない商品は、飲んで酔っぱらうこともある。車を運転すれば、事故の危険性が高まり、酒気帯びなどでつかまる可能性もある。

アルコール健康医学協会によると、アルコール濃度が薄くても濃くても、酔い方はアルコール分を正味何ミリリットル摂取したかで左右される。アルコール分が含まれるビール風味飲料の場合、大量に飲んでアルコール摂取量がその人の限度を超えれば、酔ってしまい、アルコールが抜けるまで時間もかかる。

一方、製造工程に発酵がなく、アルコール度数「0.00%」の商品は理論上はアルコールはゼロといえる。ただし、そうした商品も20歳以上を想定しており、未成年の飲用は控えよう。


表の見方 商品名の下の数値はメーカー公表のアルコール度数。順位の下の数字は選者の評価を点数化。(1)製法(2)原材料名(3)100ミリリットル当たりのカロリー(4)1缶(瓶)の内容量と通販サイトや小売店での実勢価格
 調査の方法 小売店や大手通販サイトでの売れ筋、専門家の推薦などから20種類を選出。専門家が試飲した評価に、売れ行きなども加味して順位を付けた。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
 江口まゆみ(酒紀行家)▽エディ中村(日本地ビール協会認定ビアテイスター・マスタージャッジ)▽小田良司(日本地ビール協会会長)▽木内洋一(木内酒造専務)▽木越敦子(フードアナリスト)▽小畑昌司(ビアパブ「PANGAEA」店主▽佐藤裕介(「新橋DRY-DOCK」店長)▽園田智子(ビール醸造家)▽田村功(ビール評論家)▽友田晶子(オールアバウト「日本酒・焼酎」ガイド)▽樋口昇(「神楽坂ラ・カシェット」代表取締役)▽藤原浩(フードアナリスト)