丸いナスに特大ウリ 若者を魅了する在来野菜

日本各地で土地の気候や風土を生かして育てられてきた在来野菜。丸いナスや特大のウリといった色・形の珍しさや野菜本来の滋味が、健康志向の若い世代を引き付ける。「食感がよい」「生命力がある」と関心が高く、初めて触れた和の食文化を契機に、食生活を見直す人もいる。

在来品種のナスを子どもに教える林愛さん(東京都武蔵野市)

9月上旬、東京都武蔵野市の住宅街の一角にある50平方メートルほどの小さな農地に、親子連れが集まった。畑に実っているナスやトマトは相模原市を原産地とする在来野菜だ。「まん丸のナスだよ。珍しいねえ」。同市内でレストランを経営する林愛さん(32)が長男の蒼介君(3)に語りかけた。「ここのナスは味が濃い。子どもに生命力あふれる野菜を食べさせたい」と林さん。

普及イベント活況

農地を管理するのは、全国の在来野菜をネットで販売する「warmerwarmer」。代表の高橋一也さん(43)が農地に種や苗を植え、通販の顧客である林さんらとともに、雑草を刈ったり、収穫したりする。高橋さんは4月と8月の2回、武蔵野市吉祥寺で普及イベントを開催した。ウリ科のそうめんかぼちゃ、白長なすといった在来野菜を販売したほか、生産者を招いてシンポジウムを開いた。

在来野菜 代々受け継がれてきた種から育った野菜で、種は固定種、自家採種などと呼ばれる。栽培と種採りを繰り返し、地域の風土に合った野菜に育てる。ブランド化した京野菜も在来品種。日本種苗協会(東京都文京区)によると、全国に1200種類ほどあるとされるが「市場に出回らないものが無数にあるため、実態はつかめない」。
大規模生産や同一規格が求められる近代農業とは違った栽培が求められるため担い手は減少傾向。種採りに手間がかかり、収穫量が少なく、出来上がった作物は形が不ぞろいなことが多いことなども敬遠される要因だ。
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