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裏読みWAVE

世界で変身したカップヌードル、食文化の縮図 編集委員 小林明

2013/7/19

欧米の先進国の後は、中南米と東南アジアの売れ筋を試食する。

■メキシコ版――チリソースにライムでアクセント

フタを開けると、スープの粉末が赤みがかっているのが分かる。具材はグリーンピース、エビなどに赤いトウガラシのようなものが交じっている。やはり、辛いのだろうか? 麺は香辛料の色のせいか、ソバのような茶色がかった色合いに見える。熱湯を注ぐと、独特の香辛料の香りが辺りに広がってきた。

3分間待って、試食する。


スープの上部に緑色の破片がたくさん浮かんでいる。細かく刻んだネギか香辛料だろうか。スープを味見してみる。チリの利いたシュリンプ風味。だしの利いた日本版のスープとはかなり違う印象だ。やはり辛い。飲み込むと、ピリッとした鋭い刺激を喉の奥で感じる。暑い気候には適しているのだろう。グリーンピースは米国版にも入っていたが、好きな人が多いのだろうか。

チリソースにライムをかけて食べるのがメキシコ流なのだそうだ。たしかに、酸味と辛みが強い方がうまい具合にアクセントになって「飽き」が来ない気がする。

■タイ版――ピリピリと病み付きになる辛さ

フタを開けてみて驚いた。二つ折りのプラスチック製のフォークとペースト状の赤黒いたれが入った袋が麺の上に乗っていたからだ。「お湯を注ぐだけで食べられる簡便性」が売り物の「カップヌードル」シリーズだが、その原則が破られた格好。


たれは粘度のある赤味噌のような形状。いかにも辛そうだ。麺のうえにかけると、酸味のある香りが漂う。食欲をそそるあのトムヤンクンのにおいだ。熱湯を注ぎ、試食する。スープを口に含んだ途端、辛さが舌を刺激した。ヒリヒリ、ピリピリする感じだ。

スープの熱さも手伝い、最初は顔、続いて背中、脇へと体全体から汗が噴き出る。口の中を冷やすための冷たい飲み物が不可欠だ。できれば、冷房のよく効いた部屋で食べる方がいい。だが、この辛さは病み付きになる。

麺はやや長め。「食べ応えを重視したため」(日清食品)という。汗をかきかき、麺をすすって食べると、いかにも食べたという気がする。日本で売り出してもかなり売れるのではないだろうか。ただ、備え付けの二つ折りのフォークは曲がりやすくてやや食べにくい。できればしっかりしたフォークでガツガツと食べた方がおいしく感じるだろう。

以上、各地域の「カップヌードル」(カップヌードルズ)を細かく調べてきたが、それぞれの商品が互いにいかに大きく異なっているかが改めて体感できた。

これは味覚や食べ方、つまり地域に根付いた食文化の違いが反映した結果だと言えるだろう。異なる食文化が触れ合い、影響し合いながら、さらに新たな食文化を生み出しているわけだ。

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