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「世話焼きおばさん」まだまだ健在 都会で奔走 縁結びや高齢者の手伝い

2013/6/25

結婚適齢期の人がいると、あちこち当たってお見合い相手を見つけてくる。かつてはそんな「世話焼きおばさん」がいたものだ。今や“絶滅危惧種”かと思いきや、婚活は言うに及ばず、高齢者や身障者のお手伝いに燃える「世話焼きおばさん」たちが今でも都会で頑張っている。

「玉ねぎツアー」のために友人とぼた餅作りに精を出す露木サヨ子さん(右から2人目)

午前7時すぎの東京・JR三鷹駅前。観光バスが50人の乗客を待つ。到着した人に「おはようございます」と客に声を掛けるのは武蔵野市在住の露木サヨ子さん(67)。この日は長野県安曇野への日帰り「玉ねぎツアー」。露木さんは年に4~5回、この収穫ツアーを主催する。

■東京のおっかさん

参加者の多くは70代。「年を取って友達と出かけられるのは幸せなこと。仲間づくりをしてくれれば」と露木さん。当日は朝4時半から参加者のためにぼた餅作りに精を出す。炊く米は1.5キロ。「持ち出しも多いけれど、みんなに喜んでもらえれば幸せ」

定時制高校を卒業後、定年まで武蔵野市役所で勤め上げた。市民相談室、青少年係、市民係などで持ち前の世話焼き好きを発揮。納税課では税金滞納のまま市外に転居した人に「風邪を引かないように」などの手紙を送り、少しずつでも返済できるよう支えた。

車で体の不自由な知人を墓参りに連れて行ったり、足の弱った高齢者を病院や買い物に連れて行ったりと元市会議員の夫もあきれるほどの世話焼きぶり。障害者のために毎年2回企画するバス旅行では車椅子のまま乗降できるリフト付きバスを調達する。障害者用のトイレの有無など現地の事前チェックも怠りない。車いすの参加者は「これでしか遠出できないから本当にありがたい」と心待ちにする。

露木さんは「縁結び」にも熱心だ。市社会福祉協議会の無料結婚相談所でボランティア相談員を務め、婚活専用の住所録に並ぶ名前は200人。昨年は富山県南砺市と協力して婚活ツアーにも同行、夫婦を1組誕生させた。東京から南砺に移り住んだ金代純一さん(38)は露木さんを「東京のおっかさん」と慕う。

露木さんのように東奔西走する「世話焼きおばさん」もいれば、「寄り合い所」を設けて人を迎え入れる世話焼き役もいる。東京都練馬区のNPO法人むすびは訪問介護事業の傍ら、事務所併設の多目的スペースで、音楽人形劇や歌声喫茶など地域住民向けに様々なイベントを企画している。むすびは「地域にお互いさまの助け合い関係をつくろう」と、生協仲間の主婦13人が14年前につくった組織だ。

大学生のボランティアも企画のアイデアを練る。子ども向けにペットボトルで風車を作ったり、和紙であんどんを作ったり。「世話焼き役をどんどん発掘して、地域が元気になるイベントを仕掛けていきたい」と、むすびの数少ない男性職員、木田正吾さん(44)。イベントがきっかけで、むすびに時々顔を出すようになる人もいる。

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