出世ナビ

職場の知恵

シニアと若者の異世代シェアハウス 長続きする条件

2013/5/28

新しい暮らし方として5年ほど前から脚光を浴びてきたシェアハウス。利用は若者中心というイメージが強かったが、最近はシニアと若者が一緒に住む試みも始まっている。もっとも他人と暮らすのは、同じ世代でも気遣いが必要。それが異世代となるとハードルはぐっと上がる。違う世代同士の共生のあり方を追った。

福井市で一人暮らしの山本幸男さん(83)宅3階には、福井大2年の近藤秀介さん(19)が「お試し居住」をしている。これは福井大生が発案し、県社会福祉協議会が後押しするプロジェクト。学生が高齢者と安価な家賃で一緒に暮らし、雪かきなどの生活支援をする取り組みだ。

3人1組で希望者全員の夕食を作る(東京都多摩市のコレクティブハウス聖蹟)

2人の生活動線は分かれている。2階に山本さんが住み、1階のキッチンやリビングを共有する。同居して2カ月がたった。取り決めにはないが、朝食は山本さんが意欲的に作るようになり、時々夜も一緒に食べる。良好な関係が築けているようだ。

■利用者属性が変化

シェア住居仲介サイト「ひつじ不動産」を運営するひつじインキュベーション・スクエア(東京都渋谷区)の北川大祐マネージャーによれば、事業者が物件を管理・運営するシェア住居は年3割の勢いで伸びており、累計数は3年間で約2倍になった。

従来は20代中心だった利用者の属性も「30代や正社員の割合が増加」(北川マネージャー)し、多様化が進む。そうした流れを背景に、新しい動きとして注目を集めているのがシニアと若者の共生を図る試みだ。

地域交流事業を進めるNPO法人むすび(東京都練馬区)も、都市再生機構(UR)の協力を得て、区内光が丘の賃貸住宅でシニアと一緒に住む若者の借り手を募っている。「1人では健康面で心細いというシニア層と、割安な家賃で暮らしたい若者をうまくマッチングできれば」と永野摂子理事長は言う。

ただ課題は多い。児童養護施設の退所者を応援するNPO法人ブリッジフォースマイル(東京都千代田区)の林恵子代表にも失敗の経験がある。一軒家を借り上げ、年配の女性1人と18~19歳の退所少年6人によるシェアハウスの運営を始めたが、少年たちが面倒見の良い女性に何もかも依存するようになり、結局立ち行かなくなった。

千葉大学大学院でシェアハウスを研究する建築・都市科学専攻の丁志映・助教も、大学院生とシェアを始めた主婦の実例を話す。「最初は余った料理をお裾分けにと出しているうちにエスカレート。いつのまにか弁当作りが日課になり、主婦が疲れてしまった」

「異世代シェアは運営・管理が難しい」とひつじインキュベーション・スクエアの北川マネージャーは指摘する。老いも若きも共生するにはどんな工夫が必要なのか。NPO法人コレクティブハウジング社(東京都千代田区)が運営支援をする賃貸集合住宅「コレクティブハウス聖蹟」(東京都多摩市)を訪ねてみた。

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL