人生の答え、自分で描こう グリー社長 田中 良和氏カーネギー『人を動かす』に感銘

 最初からやりたいことがある人なんていない。「やりたいことを見つける能力」を身につけることが大切だと思う――。7年前、田中氏は自著でこう記した。
グリーの田中良和社長

ゲーム好きの少年でしたが、図書館や書店にもよく通いました。どういう人生を歩むのか悩んでいた中学生のとき、テレビで紹介されていたのが『パワーシフト』。テクノロジーがこれから社会をどう変えていくのかにとても興味を持ちました。

『君主論』も忘れられません。表層的、道徳的に良いことが必ずしも社会にとって好ましくないと知りました。リーダーには批判を受けてもやるべきことがあります。

 大学1年の夏休み、米シアトルの大学に短期留学、初めて電子メールを使った。

『パワーシフト』の世界が、インターネットという道具を得て、まさに始まろうとしていました。帰国すると、ネットをやっている人を訪ね歩く毎日。米国から専門雑誌を取り寄せ、仲間と輪読しました。

グリーの田中良和社長の愛読書

名言集も読みあさりました。「人生は問いかけるものではなく、自分で描くものだ」。誰の言葉か思い出せないのですが、とても記憶に残っています。それまで本の中に「人生の答え」のようなものを探していましたが、ハッとし、何かを生み出す側に回ろうと思いました。

当時、正しいことを言っていれば人は分かってくれると信じていました。でも、理解されなければ評価されずに死んでしまう。テレビで紹介されることがありますよね、色あせた千年前の壁画が発見されて「きっと描かれたときは素晴らしかった」と言われるのと同じです。

僕は色鮮やかな、生きている間に評価されたい。そのためには人を動かし、社会を動かさないといけません。笑顔で、人の目を見て、話を聞くように切り替えました。きっかけが『人を動かす』です。