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電池が8カ月持つスマート腕時計 シンプルな機能美

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日経トレンディネット

最近、スマートフォン(スマホ)と連携できるアナログ腕時計が増えてきた。これらの製品は通常のスマートウォッチと比べて機能が限定されるため、電池持ちに優れるのが特徴。スマートウォッチと差異化するために「コネクテッドウォッチ」と称されることもある。

2016年5月19日に発売されたフランスのスマートフィットネス企業Withings(ウィジングス)の「Activite Steel(アクティビテ・スチール)」(Activiteの最後のeはアクセントが付く)を2週間ほど使ってチェックしてみた。その良し悪しについてお伝えしたい。

2万円台前半で購入できる

アクティビテシリーズは、活動量計としても活用できるアナログ腕時計だ。ケースやバンドの素材の違いによって「Sapphire(サファイア)/Steel(スチール)/Pop(ポップ)」の3つのバリエーションを展開する。

今回レビューする「Steel」はステンレススチールのケースと、シリコンバンドを採用するミドルレンジモデルで、本体カラーはブラックとブラック&ホワイトの2色となる。2万2800円(税込み)というお手頃な価格設定がポイントだ。また電池が最大8カ月持つというのも大きな魅力だ。

文字盤と針はシンプルなバータイプ。ボタンやライトなどの装飾も一切なく、「%」で活動量を表示するアナログのサブダイヤルのみが際立つ。無駄をそぎ落としたデザインには機能美を感じた。

時計本体には、ステンレススチールのなかでも品質の高い316Lが採用されている。この素材は、高級ブランドの時計にも使われる一般的な素材で、局部的な腐食にも強い。ベゼルは狭く、本体の端から二重のドームガラスがシームレスに盤面を覆っている。袖口に引っかかりづらいサイズ感は、スーツを着用するビジネスシーンでも活用しやすいだろう。

バンドは非常に柔らかい。シリコン独特の質感は好みが分かれるところではあるが、運動時にも利用しやすいのがポイントだ。器具なしで簡単に取りはずせるため、本体側面が汚れた際の手入れも行いやすい。

サブダイヤルに活動量を表示

付属の説明書きは簡素で、設定方法については「公式サイトにアクセスしてください」という旨しか記載されていない。

設定にはまず、専用アプリ「Health Mate」をインストールして、アカウント登録をする。その後、アプリのメニューから「マイデバイス」を選択し、「Activite Steel」をインストールする。付属のピンを用いてウォッチを初期化し、画面指示に従ってペアリングと時刻合わせをすればよい。

初期設定が終われば、あとは普通の腕時計と同様に使える。実際に着用したまま生活していると、目標歩数の達成度がサブダイヤルのメーターに反映されていく。なお、0時を過ぎると、メーターは自動でリセットされる。

活動量のログはアプリで確認できる。歩数のほか、移動距離や消費カロリーの概算値も算出される。歩数の目標値はアプリからカスタマイズできるので、運動量の少ない筆者は目標値を低めに変更した。

しかし、このアプリは機能が豊富な半面、操作の説明がほとんどないので、やや使いづらい印象を抱いてしまった。今後のアップデートに期待したいところだ。

充電は気にしなくていい

筆者がActivite Steelを使ってみて良いと感じたのは、一般的なスマートウォッチとは異なり、充電を気にしなくてよいことだ。

例えば、泊まりがけの出張に行く場合、通常のスマートウォッチなら充電ケーブルを持って行かないとならないだろう。Activite Steelならその必要はない。マメな管理が苦手な人でも使いやすいだろう。

ちなみにバッテリーとしてはCR2025ボタン電池があらかじめ装着されており、電池持ちは公称値で最大8カ月。交換の際は、通常の時計と同じく時計技師に依頼する必要がある。

防水機能でシャワーもOK

Activite Steelは防水にも対応している。装着したままシャワーを浴びてみたが、全く問題なかった。ランニング後に汗をかいたら、シャワーでそのまま時計とバンドも流せるというわけだ。自転車によく乗る筆者としては、雨の日に安心して使用できる点も気に入った。

ちなみに、水泳のときの活動量計としても使える。ただし、プールによっては時計の着用が禁止されている場合も多いので、留意しておこう。

睡眠計としても使えるが長時間装着はつらい

Activite Steelは睡眠計としても機能し、自動で睡眠の長さと深さを記録する。計測データはアプリから確認できる。就寝前にモードを切り替える必要がなく、計測を忘れにくいのもポイントだ。

ただし、シリコンバンドを一日中装着しているとさすがにかゆくなる。「寝るときくらい腕から外したい」というのが率直な感想だ。

アラーム機能も搭載されており、アプリから時刻を設定しておけば、優しめのバイブレーションで起こしてくれる。日中に活用するのもおすすめで、例えば電車の到着時刻を見込んでアラームを設定しておくことも可能だ。

ただし、残念ながらアラームは1つずつしか設定できない。また、時刻設定のたびにBluetoothでの同期を待たなければならなかったのが残念だった。

運動量を手軽に確認したい人に向く

Activite Steelの魅力は、サブダイヤルで当日の運動量を確認しやすいことだ。「アプリで細かく管理しないが、当日の運動量はリアルタイムに確認したい」という人に最適だと言える。

例えば「エスカレーターではなく、階段を使う」など、日常の中で運動量を増やそうという志がある人は、Activite Steelを合わせて使うとモチベーションを維持しやすいだろう。

また、何よりシンプルなデザインはビジネスシーンで使いやすい。スマホからの通知がないので、不必要な連絡に邪魔されない点も魅力だ。

一方、運動時間の測定や、ランニングの走行距離、心拍数などを確認したい場合には、より専門的な機能に特化したスポーツウォッチの方が使い勝手がいい。また、さまざまなスマホアプリを連携して使いたいという人は、Apple WatchやAndroid Wear対応のスマートウォッチのほうが楽しめるだろう。

(ライター 井上晃)

[日経トレンディネット 2016年7月7日付の記事を再構成]

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