新感覚アクションカメラ 移動経路や標高などを記録
参入が相次ぐアクションカメラ市場に、個性的な一台をオリンパスが投入する。「STYLUS TG-Tracker」は、「カメラではなくログ(行動履歴)を残せる映像機器」(オリンパス)と位置づけられた、新コンセプト端末だ。
GPSで写真に位置情報を付加できるデジカメは以前からあり、決して新しくはない。TG-TrackerはGPSに加え、方位、加速度、気圧、温度の4つのセンサーを備えたのが特徴だ。
撮影した動画をスマートフォン(スマホ)やタブレットの専用アプリで再生すると、画面が2分割表示になり、撮影時の経路に沿って地図や標高図の上を点が動く。トレイルランの様子を撮った映像を見たところ、走行ルートや高低の変化を地図や標高図で見ながら動画を楽しめるのが、予想以上に面白かった。
●予想実売価格:税別4万5000円前後
●サイズ・重さ:幅35×高さ56.5×奥行き93.2mm・180g(バッテリーとメモリーカードを含む)
●撮像素子:1/2.3型(720万画素)
●開放F値:f2.0
●焦点距離:13.9mm相当(画角204~94度)
●モニター:1.5型・約12万ドット
●ISO感度:100~1600
●シャッター速度:1/2~1/24000秒
●動画:4K(30p)
撮影モードはシンプルで、電源を入れれば動画撮影モードに入る。もちろん静止画の撮影もできるが、有効画素数は720万画素とデジカメとしては少なめ。オートでの撮影が前提ということもあり、あくまで動画が主役といえそう。撮影せずに位置情報などのログだけを記録するモードも備えるのは、TG-Trackerならではだ。
新しさが際立つ半面、"弱点"も見受けられた。例えば、液晶画面がタッチ操作に対応していないことや、液晶画面が回転しない点などだ。軽さや耐衝撃性能とのトレードオフとはいえ、これらが備われば使いやすくなり、魅力がさらに向上すると感じた。
「ログを残す」というTG-Trackerのコンセプトはニッチではあるが、一部のアウトドア愛好者に熱烈に支持される可能性もありそうだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディネット 2016年6月7日付の記事を再構成]
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