実用品にレベルアップした3代目「全天球カメラ」
本当にいいもの100選
2枚の魚眼レンズで周囲360度、「全天球」の写真や動画を撮れる「リコー シータ」。その3代目となる「リコー シータ S」が2015年10月に発売された。
主な改良点は画質だ。前モデルは画素数が約600万と少なく、ノイズも多かったが、今回は約1400万画素で、撮像センサーも普通のコンパクトデジカメ並みの1/2.3型。動画もコマ数が倍増し滑らかな映像になった。
前モデルまでは"楽しい玩具"という印象だったが、これで普通のコンデジの用途も兼ねる実用品に昇格した。時にコンデジよりも便利な「魚眼カメラ」だ。
撮影した後、好きな画角を選び、ゆがみを補正すれば、普通の四角い写真、それもコンデジでは不可能な超広角写真の出来上がりだ。自撮り写真でも背後の広大な景色を丸ごと収められる。事前に構図を決める必要がなく、気軽なスナップ撮影にも便利だ。
また、地面などに置いてのセルフタイマーやインターバル撮影にも向く。全方向を同時に撮影しているのだから、セルフタイマーの使用時もカメラ位置をしっかり決める必要がない。
スマホ連係の強化も改良点の一つ。従来、全天球の動画を見るためには一度パソコンで変換する必要があったが、現在はスマホアプリだけで可能になった。新モデルはスマホへの転送速度も大幅にアップし、長めに録画した動画も扱いやすくなった。歪み補正などの画像編集に特化したアプリ「THETA+」もある。
2015年11月には専用アプリに新機能も加わった。「ハコスコ」などのスマートフォンをはめて使うメガネ型のVRモニターで、撮影した動画を見られるようになったのだ。自分が後ろを向けば後方の映像が見える。旅先の思い出の風景の中に、いつでも再び入り込める。今までにない、そんな楽しみ方も可能になった。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年1月号の記事を再構成]
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