「自動消滅アプリ」炎上写真になりません
コトバ百貨店
知らない世代の人は飛ばして読んでもらっていいのだが、昔夢中になっていた米国のドラマに「スパイ大作戦」というのがある。何せしびれたのは、テープレコーダーが「なおこのテープは自動的に消滅する」という言葉を再生したあと、シューッと煙を出して本当に消えてなくなるところ。「なおこのテープは……」の言葉は、当時の子どもの流行語にもなったりした。
時は変わって現代、煙は出ないがこのテープレコーダーを彷彿(ほうふつ)とさせるアプリがちまたの人気になっている。今週のお品物「自動消滅アプリ」だ。送った写真やメッセージが、しばらくすると自動的に消去される機能を持った交流アプリのことをいう。
たとえば「スナップチャット」という米国発の写真共有アプリは、写真を送って最大10秒で、相手の画面から写真が消滅。あとでじっくり見返されたり、知らないうちにばらまかれたりという心配もない。
まあ、人の頭脳をはるかに超えた大量のデータを記憶できてしまうのは、デジタルのいいところであり、すごく困ったところでもあり。仕事はスパイじゃないにしろ、「私、そんなこと言ったっけ?」が増えてきた加齢世代も、この機能、歓迎しています。
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2014年3月8日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。