お花見弁当、デパ地下でいかが? 専門家が厳選
花見の季節がやってきた。家族や友人と桜名所に出かけるなら、弁当は欠かせない。手作りもいいけれど、今年は少しぜいたくをして、名店の弁当を選んでみてはいかが。今回のテーマはデパートで買える花見弁当。専門家に5400円(消費税込み)以内のおすすめの品を選んでもらい、試食してランキングした。
名店の味で大人のひととき
上位には京都や東京の老舗の品が並んだ。神田明神下新開花(東1位、東京・千代田)は木箱に敷き詰められたタイの黒酢寿しに心も華やぐ。下鴨茶寮(西1位、京都市)は扇形の赤飯が花見を優雅に盛り上げてくれそう。どちらも老舗ならではの技が感じられる一折だ。
花見は奈良時代に貴族が梅の花を愛(め)でたのが起源と言われる。平安時代に桜を観賞するようになり、鎌倉時代以降、徐々に武士や庶民にも定着していった。忘れたくないのは花を愛でるやさしい心。周りの人に配慮しながら、ゆっくり静かに花と旬の味を楽しんでほしい。
<東日本>
伝統の技と春らしいタイの見事な共演
「頭付きエビ、青菜入り卵焼きなど見た目も満足感がある」(とけいじ千絵さん)、「ごはんとおかずのバランスが良く、美しい」(山本侑貴子さん)などバランスを評価する声も。(1)3000円(2)予約販売。2日前の18時までに予約し店頭受け取り。東京23区など一部地域は配達可(3)本店(改修中。旧店舗前で営業)、高島屋日本橋店、高島屋新宿店など(4)03・3253・2368
一品一品にこだわり宿る
懐石のコースを見事に表現
赤飯がたっぷり。「丁寧な煮物や甘煮などがおいしい」(野上さん)(1)2268円(赤飯)(2)2日前までに予約(3)高島屋日本橋店、そごう千葉店、西武船橋店など(4)03・3279・2361
華やかなちらしずし。「野菜が豊富で美しい」(マカロンさん)(1)2700円(2)予約販売(3)三越銀座店、西武池袋本店など(4)三越銀座店の売り場 03・3535・9672
「串団子や手まりふ、桜餅が入り女性向き」(西さん)(1)2160円(2)3日前までに予約し店舗受け取り(3)大丸東京店、エキュート上野など(4)03・3841・8236
<西日本>
洗練された食材と老舗の味わいが絶妙
値段は高めだが「一つ一つ手の込んだ料理で味わいも上品。高級懐石を頂いている気分になる」(山本侑貴子さん)。特別な場面に選びたいぜいたくな弁当だ。(1)5400円(2)予約販売(3)大丸京都店、近鉄百貨店上本町店、阪神百貨店梅田本店など。関東では伊勢丹新宿店のみ(4)075・701・5185
香り・食感・味のバランスが抜群
魚介のおかずぎっしりでわくわく
青菜と湯葉など「食材の組み合わせや包丁の技を生かした盛りつけなど細かいところに工夫があり飽きがこない」(松本学さん)。「鶏肉の炊き込みごはんは絶品」(とけいじさん)(1)3240円(2)店頭販売(3)ジェイアール京都伊勢丹(金曜日のみ)など(4)075・561・0016
ササの香りのタイ寿しとじゃこ飯が楽しめる。(1)3456円(2)2日前までに予約(3)ジェイアール京都伊勢丹(4)075・601・0061
「煮こごりや子持ちのイカが珍しい」(西さん)(1)3456円(2)ジェイアール京都伊勢丹、本店は3日前までに予約が必要(4)075・221・3908
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表の見方 数字は選者の評価を点数に換算したもの。店舗名、商品名、所在地。(1)消費税込み価格(2)購入方法(3)取扱店舗(4)問い合わせ先電話番号。内容や商品名、金額は時期や店舗で異なる場合がある。
調査の方法 食品や料理の専門家に全国の百貨店で販売されている5400円(消費税込み)以下のおすすめの行楽弁当を聞き取り調査し、編集部でリストを作成。「ぜひ一度食べて欲しい」「見た目が美しい」「価格とのバランスがいい」などの点で評価してもらい、1位から10位まで挙げてもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
牛窪恵(マーケティング評論家)▽里井真由美(フードジャーナリスト)▽島本美由紀(料理研究家)▽瀬戸理恵子(フードエディター・ライター)▽滝村雅晴(パパ料理研究家)▽とけいじ千絵(フードアナリスト・食育スペシャリスト)▽西祐子(デパチカドットコム主宰)▽野上優佳子(ホオバル代表 弁当コンサルタント)▽マカロン由香(出張料理人)▽松本学(ご当地グルメ研究会代表)▽山本侑貴子(食空間プロデューサー)▽吉岡久夫(フードアナリスト)
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